我慢は鍛錬に入りません!
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「名前、好きだ……よかったら俺と付き合ってくれないか?」

そう言われたのは3ヶ月前のこと。私より数歳年下の彼。出会いは忍術学園の食堂。私が働き始めて半年後くらいの話である。食堂の片付けをしていた時に、耳まで真っ赤にしながら真剣な目で私に言ってくれた。

「こ、こういうのは慣れないからな…」

そう言われたのは2ヶ月前のこと。付き合い始めてからというもの、授業が無い日に時々二人で街へ出るようになった。お団子を食べに行ったその日、帰り道に「仙蔵に言われてだな」と言い訳のようなことを口にしながら、いわゆる恋人繋ぎをした。少し困った顔をして、手汗を気にしながら言っていた。

「今日はこれまでにしておく…ッ!」

そう言われたのは1ヶ月前のこと。課外授業の帰りに買ってきてくれたわらび餅を食べながら縁側に座って話していた時だった。眉間に皺を寄せながらあーだのうーだの唸って長い間を置いてから、そっと頬に手を添えられて接吻された。突然だったので驚いて何も言えなかった私の前で、真っ赤になった彼が握り拳を作りながらそう言った。

「名前………抱いてもいいか?」

そう言われたのはついさっき。長屋ではなく離れになっている私の部屋に訪問してきた彼は、寝る準備をしていた私を敷いてあった布団の上に押し倒した。突然の展開に付いていけずポカンとしていると、彼は私の浴衣に手を掛けた。

「ちょ、ちょっと潮江くん!!??どうしたの!!??いつもの真面目さどこに行ったの!?というか急展開すぎない!?」
「そんなことないだろ……付き合ってもう大分経つからな、そろそろ頃合かと思っ」
「頃合云々はとりあえず置いといてその手を離して欲しいんだけど胸見えちゃうから!!」

年下とは言え忍術学園で一番ギンギンに忍者している潮江くんに力で勝てるはずもなく、簡単に肌蹴させられてしまう。潮江くんは、露わになった私の胸を見て唾を飲み込んでいる。
いつもと違う雰囲気の潮江くんに正直ドキドキしている。いやだってほら私も一応年頃の女性ですので!!

「い、いいの…??ほら潮江くん忍の三禁忘れちゃった??頭突きのしすぎじゃない??」
「据え膳食わぬは男の恥というだろう?」
「誘った記憶全く無いんですが………んっ」

本当に記憶に無い。むしろ今日部屋に来てくれるまでに1度も会ってないくらいなのに。
考えようにも突然された接吻にどんどん思考を失われていく。少し厚めの潮江くんの舌が私の口に入り込んで来て、舌を絡ませられる。初めてされてからは何回か接吻はしたし、舌を入れられたこともあったけどこんなに激しいことは無かった。

「んむっ、ん、ん……ぁっ…は、しお、え、くん」
「ん…名前…ッ」

息もまともにさせてくれない。唇と唇を重ねたまま、潮江くんの手が私の胸に触れた。ぎこちないけれど、ちょっと強めに揉んでくる。

「やっ、あ、あっ、駄目ッ」
「なんだよ興奮してんのか?固くなってるぞここ」

乳首を指でぐりぐりと押されて、思わず声が出てしまった。離された唇からは唾液が垂れて、私の鎖骨に落ちる。潮江くんの舌が落ちた唾液を舐め、そのまま舌が首筋を伝い、耳まで来る。

「し、潮江くん…どうしたの…?なんかいつもと違、ッひ」
「いつもと一緒だろ」
「耳噛まないで…ッ、や…一緒じゃないもん今までこんなことしてなかった、から」
「…ずっと我慢してたって言ったらどうする?」
「……えっ」

耳から顔を離した潮江くんが、私をじっと見ていた。部屋の暗さでよく見えないけれど、多分顔を赤くしている。私に馬乗りになったまま忍装束を脱ぎ始め、潮江くんのそこは薄暗い部屋でも分かるくらいに盛り上がっていた。

「潮江…くん…」
「…名前…しても、いいか?」
「…今更すぎるよ…」

いいよ、とは言わなかったけど肯定に受け取られたようで、潮江くんは肌蹴た私の浴衣を脱がし、露わになってしまった身体を撫でた。潮江くんのごつごつした手が下に移動し、ゆっくりと秘部に触れる。

「…はっ、すっげ……入ってく……濡れまくってんじゃねぇか…」
「潮江くんのすけべ………」
「すけべで結構」

処女ではないとはいえ、行為自体あまり慣れたことではない。それでも身体は感じてしまい、声が抑えられない。それを見た潮江くんがニヤっと笑うと、指で私の中を掻き回した。

「あっ、あ、や、やだっ、潮江くんっ、そんなめちゃくちゃにしちゃ」
「もう一本追加してやるよ…ほら」

2本目が入り、ぐにっと中を広げる。空気が入り込み、無意識に中が締まったのが分かってしまった。

「何だよ名前…お前もしたかったのか?」
「馬鹿、そんなわけな…っい…やっ、やだっ!噛んじゃだめ…っ!!」

中を掻き回されながら乳首を噛まれる。吸われたり、甘噛みされたり、舌で転がされたり…。潮江くんの指が奥を引っ掻き、その度に身体が跳ねる。その姿を見て満足そうに笑うと褌を解き、待ってましたとばかりに立ち上がった肉棒が先走り液を垂らしながら私の目の前に現れた。

「潮江、くん…駄目…!」

本当は嫌なわけがない。好きな男の子に散々身体を弄られてもう限界。

「駄目って言ってるように見えないけどなァ…」

多分バレてる。息を荒くして潮江くんは先っぽを入口に擦り付けてる。ちゅぷって音が聞こえて、それがさらに私を欲情させた。ゆっくり慣らすように少しずつ少しずつ入ってくる。先っぽが全部入って、まだ半分も入ってないまま、潮江くんは私に接吻をした。さっきみたいに唇を離さず舌を絡ませながら……勢いよく残りを突っ込んできた。

「〜〜〜ッ!!!んっ、ん!!あっ!しお、え、くん!」
「全部入ったな……すげぇ気持ちいい…名前…ッ、好きだ…」
「私も…!」

ぎゅっと抱き締められながら腰を動かされる。鍛錬しまくってる逞しい身体に抱き着きながら、潮江くんの名前を呼ぶことしからできない。お腹が突き上げられるような感覚にゾクゾクしながら、私から舌を絡ませる。
舌を絡めながら打ち付けてくる腰の勢いに身体はもう限界。

「潮江くんッ!ひっ、ぁっ、やぁっ、も、だめ…っ!!」
「名前…ッ!名前…ッ!」
「〜〜ッ!!!」

びくびくと身体を震わせながら潮江くんに抱き着いて果ててしまった。息を整える暇もなく、次は俺もイかせてくれとばかりに容赦なく潮江くんが腰を打ち付けてくる。抵抗することもできず、受け入れることしかできない私は、潮江くんの幸せそうな顔を眺めていた。

「名前…、出す…ッ」

どぷり、と中に熱い液が出された。ゆっくりと肉棒を引き抜くと、潮江くんは優しく接吻をしてくれた。そのまま私の横に寝転がり抱き締めてくる。

「……あ〜…なんか悪かったな無理矢理抱いたようになって……」
「大丈夫だけど……潮江くん何かあったの?切羽詰まった感じだったけど」
「いや、あのな」

溜息をついてから、潮江くんが言いにくそうに話し始めた。

「6年でその……そういう話になってな、お前はいつになったら手を出すんだ他の奴に取られても知らないぞ、と煽られて…つい…」
「煽られたって潮江くん…」

潮江くんらしいというかなんというか…。

「それにこういう性格だからなかなか手を出しづらくてな………本当はもっと早く触れたかった」

私の頬に手を添え優しく撫でる。潮江くんは苦笑いをしていた。

「遠慮しなくてよかったのに……潮江くんになら何されても嬉しいよ?」
「…………本当か?」
「本当だよ」

嬉しくなってついそんなことを言ってしまった。後悔先に立たずとはこういうことを言うのだろう。再び視界が潮江くんで覆われ、手首を掴まれた。つまりこれは。

「なら遠慮はしない」
「………あ〜…そういうことじゃなくて、あの、潮江くん??」
「もう一回するぞ」
「潮江くん、あのね、私明日も朝早、んっ」

台詞を遮られるように再び唇を重ねられ、断れないようにされた。薄ら見えた潮江くんの顔はとても嬉しそうで、明日のことは明日考えればいいやと思えてしまったのだった。

朝起きれなくて怒られるハメになるのだろうけど。



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