セクハラ≠ヒーリング
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「やぁ、おかえり」
「秋山さん…」

人通りも少なくなった深夜。
私の住むマンションの入口で、寒そうに縮こまりながら缶コーヒーを片手に、秋山さんが立っていた。
残業で遅くなってしまった私をずっと待っていたのだろうか、秋山さんは鼻をすすっている。

「来るなら来るって連絡くださいよ…こんな寒いのにずっと外にいたなんて…」
「連絡するの忘れちゃった、ごめんね」
「こちらこそ…わざわざ待っててくれたなんて…」

申し訳なさそうな顔をした秋山さんが私の手を取る。
冷たくなった指先に、結構待たせてしまったのがよく分かった。

「急に名前ちゃんに会いたくなった俺が悪いから、ね?謝らないで?」

優しく笑うその顔に、何度助けられただろう。
仕事の疲れも吹っ飛ぶとはこのことだ。

「さ、早く部屋に行こう?俺寒くて寒くて」
「やっぱりそうなんですね…秋山さん指先凄く冷えてます」

手を握ったまま私と秋山さんは、部屋に向かうべく階段を上がった。


…………………………………………………


「ところでさ、大丈夫なの?仕事」
「へっ?」

シャワーを浴び、髪をタオルで拭きながらリビングに入ると、ソファに座りテレビを見る秋山さんにそう尋ねられた。

「今日も残業だったでしょ?この前もそうだったし…無理は駄目だからね」
「わかってますって…私なら大丈夫です。むしろ秋山さんは仕事ちゃんとしてるんですか?」
「うっ…嫌なとこ突いてくるんだから…」

困り顔をしながら頬をかく秋山さん。
ちゃんと仕事をしてるとこ見たことあったっけ、と思い出そうとすると、秋山さんは隣に座るよう促してきた。

「お疲れ様、名前ちゃん」
「わっ」

隣に座ると、秋山さんはぎゅっと抱き締めてくれた。
まだ微妙に濡れた私の頭を撫でながら、私の名前を呼ぶ。
こうやって優しくしてくれる秋山さんには本当に感謝している。

「俺ね〜、名前ちゃんが仕事一生懸命に頑張ってる姿見るの好きだよ」
「ほ、ほんとですか…ありがとうございます…」
「でもね」

撫でていた手が頬に添えられ、唇と唇が触れた。

「そんな姿を他の男が見てると思うと嫉妬しちゃうな」

いたずらっぽく笑う秋山さんが、ゆっくりと私の肩を押し倒す。
ソファに押し倒された形になってしまい、私の視界には秋山さんの顔。

「あ、秋山さ…」
「お仕事でお疲れの名前ちゃんを癒してあげる……って建前で、嫉妬心からのお仕置き……なんてね」
「いや、秋山さん顔がマジで、んむっ」

キスをされ、唇を割って舌がぬるりと入り込んでくる。
秋山さんの舌が私の舌を絡め取り、吸ったり甘噛みしたりと口の中を犯される。
口内を弄ばれていると、秋山さんの手が私の胸辺りをまさぐり、着ていたシャツのボタンを器用に外していく。
開いた隙間に指先が入り、下着を押し退けて胸を揉む。

「んんっ、ぁ、あっ、やだ駄目!」
「なんで?ここもこんなに固くなっちゃって…ほら」

ぐり、と押し潰すように乳首を押され、そのまま指先で転がすように触られる。
強めに胸を揉まれ、時々乳首を弄る。
そんなことを繰り返しながら、相変わらずキスはしたままで。

「あき、やましゃ、だめ」
「んー?おっぱいにマッサージしてあげてるだけだよ?」

唇と唇の距離がほぼない状態での会話。
お互いの吐息が混ざり合うような、そんな距離感の中、秋山さんは楽しそうに笑っている。

「ここもほら、こんなに濡れてる」

いつの間にか移動していた手が私の下半身を触っていた。
ゆっくりと指を中に入れ、奥へ奥へと侵入してくる。
激しい動きではなく、優しく解すように秋山さんの指が動いている。
胸への激しい愛撫とは打って変わって、優しすぎる動きに逆にもどかしさを感じてしまう。

「気持ちいい?」
「ひっ、あ、秋山さ…もっと…」
「もっと………なぁに?ちゃんと言ってくれないと俺分かんないなぁ〜」

ニコニコ笑いながら指を軽く動かす程度の秋山さんに、私の体は限界を迎えていた。
このままじゃイけない。こんな動きじゃ……。

「もっと…さっきみたいに激しくして…?」
「……名前ちゃんはえっちな子だねぇ…了解」

入れる指の本数を増やし、私の中でめちゃくちゃに掻き回す。
指の付け根まで突っ込まれ、奥を思い切り引っ掻く。

「あひぃっ、あっ、はぁっ、あきやましゃんっ、あきやま、さっ」
「ん〜?名前ちゃんの中ぐっちょぐちょだね…俺の指締め付けてくるし…ね、イキたい?」

頷くと、秋山さんの指が容赦なく中で暴れる。
激しい指の動きに耐え切れず果ててしまい、ぐったりしていると秋山さんは指を抜いた。

「頭スッキリしたんじゃない?」
「…はぁっ、ぁ……お……お陰様で…」
「それじゃ俺のもスッキリさせて貰おっかな」
「………えっ」

ベルトを緩めパンツをずらすと、そこからはちきれんばかりに勃起した秋山さんの秋山さんが。
やばい。腰砕けてて動けない。逃げれないやつだ。

「名前ちゃんのおまんこもいい具合にトロットロだし……これならすぐに入れれるね」
「…あっ、秋山さ…待って…ちょっとだけ休憩させて…」
「駄目」

先程散々暴れられたそこを拡げられ、秋山さんがゆっくり挿入してくる。
イったばかりのそこは簡単に秋山さんを受け入れてしまい、根本まで咥えこんでしまった。

「んっ…はぁ……俺のちんこ全部咥えこんじゃったね……」
「ぁ……や、だめ…言わないで…」
「と言っても…ここはそうでもなさそうだけど……ねっ」
「!!?っ、ぁ、ひっ、あきやましゃっ、奥ぅっ、奥まで来て、るっ、あっ」

ガツガツと腰を振り、思い切り奥を突かれる。
苦しそうな、でも嬉しそうな秋山さんの顔を見て思わず頬に手を添えると、私の中に入っている秋山さんが更に大きくなった気がした。

「はぁっ……好きだよ…名前ちゃん…ッ」
「あっ、秋山さ、ぁっ、私もッ、むっ、ん〜〜ッ」

唇を塞がれ、口内で秋山さんの舌が暴れる。
それと同時に腰を振るスピードも上がっていって、苦し紛れに呼吸をしたくても上手くさせてくれない。
どんどん頭がボーッとしてきて、頭の中が真っ白になって何も考えられなくなった瞬間、私はイってしまった。
数秒置いて、秋山さんが私の膣内に温かい精液を注いだのが分かった。

「はぁーっ、ぁ…はぁ…名前ちゃん…」
「あ、秋山、さ……はぁっ…」

舌と舌が離れ、垂れた唾液が私の唇を伝う。
秋山さんはそれをぺろりと舐め取ると、優しく私の頭を撫でた。

「…名前ちゃんさ、そのうち仕事辞めることになるかもね」
「…どういう意味ですか…私まだ現役ですよ…ッ」
「いやぁ、中出ししちゃったし……寿退社?とか……」

にっこりも笑ってそう言う秋山さんに呆気に取られていると、秋山さんは軽くキスをして、耳元で囁いた。

「……責任は取るからさ……孕むまで頑張ってね」

第2ラウンドの始まりだなぁと思うと同時に、どうせなら寿退社で仕事辞めるのも悪くないかもしれないと思い始める私がいた。




end


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