優しくて、もろいのが貴方たち。





直獅先生が特科生について説明したすぐ後、神話科の先生がやってきた。
私はつーちゃんたちに目だけで挨拶をして、天文科の教室を出た。

あの頃と変わらない、あの人とよく似た顔でつーちゃんは私を見てた。
綺麗な瞳をゆらゆら揺らして、すごく心配そうな顔で。


「・・・」


考えたところで仕方がない。私は頭を振って思考を切り替えた。

つーちゃんたちには話さない。そう決めた。そう私の中で決まったんだ。
・・・話してしまったら。つーちゃんたちは、泣いて、壊れちゃう。
どうして気づいてあげられなかったんだろうって自分たちを責めて。
優しい優しい心を持った人たちだから。



満月さん、入ってくれる?



神話科の先生に呼ばれて顔をあげる。

・・・うん。私はもう、大丈夫。

誰に言うわけでもなく、ただ、自分に言い聞かせた。





秘密にしなければ
(貴方たちを守れない)

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