どうしよう。…私はやはり、アレなのか。


――極度の方向音痴。






おかしい。一週間前に学園内の見取り図を琥太郎さんにもらって、すべて頭に入れたはずなのに。
…自分が向かわなくちゃいけない場所がどこにあるか分からない。

ここを曲がったら職員室だっけ?いや、図書室だっけ?というか、私が行かなくちゃいけないのは体育館だから、あっちに進むんだよね。


…うん!確かそうだよね!?



自問自答しながら足を動かすと、見えてきたのはなぜか校門だった。




「………」





自分が変な顔をしているのが分かる。言い換えれば、自分が変な顔をしていないと言える自信がない。
どうしたものか。私は今、完璧に迷子になっている。

見上げる空には雲ひとつないのに、私の心の空にはもくもくと雨雲が集まってきていた。



はぁ、とため息をつき、下をうつむきかける。だけど、ぐっとこらえて頭を上げた。






すると、目の前に男子の制服があった。






「えっ!?…たぁ!?」
「うぉ!?…ぐぁ!?」




クリーンヒット。この言葉はまさにこんな状況のためにある。

私の頭と、私の目の前に立っていた男子生徒のあごが見事ぶつかった。
涙でぼやける目でぶつかってしまった男の子を見たら、青いネクタイが目に入った。






一難去ってまた一難
(迷子じゃなくなったけど、やばいです)









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以前、ここに載せていた内容に、ものすごい間違いがありました!すみませんでした!乙女座寮とか牡牛座寮とかは学園の外にあるのに、管理人はなに意味わかんないこと書いてるんでしょう!?…本当にすみませんでした!!
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