*オペ子に依存してたレイヴン
眠いのにどうあっても眠れないというのはこの世の中でも特別に苦しい事なのだと今とても感じている。いっそ気絶でも出来てしまえば楽なのにと分量外の薬を掻き込んでベッドに倒れて、それでも尚眠れずにまた端末を叩いていた。ブルーライトが網膜を焼くのが分かる。
(どうしましたか)
暗号化もされずに届いているメールが一通。AM2:25/*****。捨てる。どんなに金を積まれたとしても、どんな好条件の内容でも、今はどんな依頼も受けない。
(いえ、何だか辛そうで)
返信するまでも無い。
(あなたは隠せないひとですよ)
いずれ諦める。俺の事も忘れるだろう。代わりは幾らでも居るんだ。今はどうか静かに休みたい。
(何か、ありましたか)
長い休みが終わって俺が世の中から忘れられたら、その時、最後の仕事をしよう。報酬は必要無い。彼女と分かち合う事の出来ないものなどなんて無意味なのだろうと今なら解る。
(…心配、させて下さい)
こんなに遅いけれど、俺はこれから君の為に生きる。そうして全部が終わったら、俺も君の居る場所に行こう。
『――昨夜未明、所属不明ACによるxxxx本社への襲撃があり―――属不明機は同社所属のAC―機、ガードのMT部隊と交戦し、―破。―――と見られます。――以上、ニュースを…―――』
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