*なんやかやアナトリア→アスピナ
*アナトリアの憧れと惚気?独白

伸ばした手に掴めなかったものが幾つあったのか、俺自身、覚えちゃいないし、数えていない。それはあまりに多過ぎたからだ。
許容を超えたものを内包して置けないのは至極当たり前の事だが、それでも、俺は欲張りだった。
欲張り過ぎて、掴めた筈のものまで通り落ちてしまっていたのに気付いたのは、間抜けな事にごく最近のことだった。

―――

よく鈍い鈍いと言われるが、殊更手前の事となるとそうらしい。面白い事に、それも最近気付いた。気付かされたと言ったほうが正しいかも知れない。あいつと話さなければ、俺は以前の俺のままで居ただろうことは想像に難くない。
あいつは面白い。こんなくたびれた俺を、君は面白い、興味深いと笑ってくれる。恐ろしく白い、俺とは対極に生きていたような奴と、何の因果か馬が合うのもまた面白い。

―――

俺はこいつと出会えた幸運に感謝しよう。そして、今度こそと密かに願う―これは俺の大切な相棒にだ―こんな面白い奴を、珍しく、『俺の中身を見てくれた』こいつを失わないように。そんなことは今度こそ無いように。
そうだ、次は気をつけるさ、次など無いというくらいに。

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