*V主

「じゃあ、お疲れ。あんたも早く休みなよ」
「ああ、分かってる」

作業に必要な最低限の数だけを残し、ガレージのライトが消えていく。
薄ぼんやりとした明るさの中で自分のACを見上げると、いつもよりずっと存在感が際立つような気がする。

ほぼ毎日、休む間もなく動きっぱなしのコイツはどこもボロボロで、見ていて居たたまれないような気持ちにさせられる。コイツが居なければ、オレはとっくの昔に塵の欠片も残っちゃいなかっただろう。

この時代を生き抜くには力が要る。
その力をオレは持ち、オレが思うように動かす事が出来る。
けれども、今はこの力を使って助けたい奴らが居る。今しばらくは、それでいい。そうしていよう。そのほうが、きっとみんなも喜んでくれるだろうから。

( 0924 )
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