*ライオンと北極星

よく晴れた日だった。

「アンジー、次はどこだ?」
『南西、距離300です』
「了解した」

廃棄された海上施設に、火花と日光が跳ね返る。

「完了だ」
『これで作戦は終了です、No.8』
「ああ、そうか」

しばしの沈黙。
春先の日差しは柔らかで、好ましい。

「アンジー、聞いて良いか」
『質問を認めます、No.8』
「今日は良い天気だな、そう思わないか」
『…質問の意味が不明です』
「そんな事は無いと思うが」

彼女を見上げる。
いつもより少し、表情があるような、気がした。春という季節は面白い。

『帰還して下さい、No.8』
「了解、帰還する」

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