*ナニカサレタのは誰か

久し振りに感じたのは、おそろしく眩しい光だった。

全体自分が何処に居るのか、それすら容易に分からない。頭の隅の隅まで白い霞が掛かっているかのように曖昧模糊とした気分が先刻から続いている。ともすれば、うっすらと気分良く酔っているようにも思えてくる。ぐるぐると世界が円を描き、一定しない。俺は全体どうしてしまったのだったか――『目を醒ましたようですね』『施術は成功、という事か』『経過を記録しますので、…ええ、そうです。そのように』――耳を通り越して直接脳に会話が流れ込むように錯覚した、いや、これは何だ?――『現段階では異常無し、機能も全てオンラインです』『丈夫な検体だったのだな、多少無理を詰め込んだつもりだったが』――ナニを、何の事を言っている?どうして口が動かないんだ…ナニが、どうなって…?――『…ああ、目を醒ましたのだったな』『麻酔が完全に切れるまで、あなたには休息が必要です』『何、なにも心配せずともアフターケアもきちんとやるさ』『ご心配なく、我々にしっかりとデータを提供いただければ、バックアップも場合によっては…』――俺は何をされた?一体、何が起きたんだ?なあ、どうした、動かない、俺の身体はどう、どうなって――『検体のメンタルまではどうにもならないからな、これが難しいところだ』『そうですね、彼の"心"だけは我々にも変えられません』――俺は、な、あああ、どう 、、……『鎮静剤を投与しておけ、以前の検体のように暴れられでもしたらことだ』『分かりました、後はどうしますか』『保留、ということにしておこう。次が来ている』『分かりました』

( 0916 )
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