古王と首輪付き
古王に浸かってる首輪付き



どれだけころそうが結局そう対して変わらない。

彼に尽くすと、そう決めた。
あまりに彼はきょうぼうすぎた。
俺には強すぎたんだ。

俺の端から端までおかされてしまったのだ、彼はあまりにも強すぎた。
だから、彼に尽くそうと決めた。

この身が、世界なんかどうなろうともう俺には少しもどうでも良くなってしまった。彼のために何かが出来るのなら、それで構わない。すばらしいじゃないか。


彼のウタを聴く。


「"キング"、俺はあなたのとなりに居たいんです。」


首輪付き、と、いつもの笑いを含んだ声がこちらを呼ぶ。煙草と、安い酒の匂い。どこかで覚えのある…


「なァ、"首輪付き"、」
「どうしましたか」


いっそう煙草の匂いが強くなる。頬に無精髭が触れてこそばゆい。ブラウンがかったモスグリーンの眼が、俺の横でまっすぐを見ながら細められる。この人はこうやってとても面白そうにわらう。
頭に、俺の好きな手が乗せられる。


「はは、お前は面白ェな。」

うたう。うたう。


俺はあなたを失わないようにと祈る。
うたう。



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