戦場に降りた日(1/3)
私を含め5人だった第1小隊のメンバーが3人になってから、どれほどの時間が経っただろうか。
その日も、いつもと変わらない朝だった。
いつものように同室の親友であるユノに叩き起こされ、食堂でハルキとサクヤと一緒に朝食を食べて、部屋で身支度を整え、玄関で合流したハルキ達と学校へ向かう。
そしてまたいつものように授業を受け、放課後のウォータイムをこなして1日を終える……そんな毎日が、これからも変わる事なくただ繰り返されていくんだと思っていた。
そう、少なくとも、この日の朝のHRまでは――
×××
朝のHR開始のチャイムが鳴り、それまでユノと談笑していた私は急いで話を切り上げ、自分の席へと戻る。
そして全員が席について程なく、担任の美都先生が扉を開けて教室へと入って来た。
「全員注目!」
静かな教室にしっかりと通る声に釣られるように視線を前へ向けると、そこには美都先生に加え、二人の男の子が立っていた。
「今日からこのクラスに入る転入生の瀬名アラタと星原ヒカルよ。二人とも席について」
いかにも美都先生らしいシンプルな紹介をされた二人の男の子改め瀬名君と星原君は、そのまま美都先生に促され私の席の前にある空いた席へと腰を下ろした。
今小隊内で空きがあるのは第一小隊だけだし、彼らは第一小隊に配属されると考えてまず間違いないだろう。
でも……
ちらりとハルキの方を見やると、やっぱりハルキは険しい表情をしていた。
その表情になんとも言えない気持ちになった私は、すぐさま視線をハルキから前に戻し、そのまま目を伏せる。
今日の授業は、頭に入って来そうに無い。
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