盾神短編 | ナノ


ライオンクリスマス

「クゥーリスマスは
今年もやぁってくるー」


ふと声を上げて歌を歌い続ける塑琉奈
俺はぶすっと頬杖を付いてそれを見つめる


「さぁキョウヤ!!
今日はクリスマスだお!!」

「ふーん…、で?」

「一緒にチキン頬張ろうず!!」

「…そっちかよ」


キラキラ目を輝かせクリスマスバラエティーパック片手に、俺に寄り添う塑琉奈


「ライオンちゃんは
お肉が大好きだろー?」

「お前な…」


ライオンちゃんって…

お前から見たら俺は大きな猫かよ


あーんっと大きなお口を開けて
骨無しチキンを頬張る塑琉奈


「うーん、やはり揚げたてに限りまふのぉ…」

「そうかよ」


俺は適当に相槌を打ちながら
手元にあったシャンパンを手に取ると
塑琉奈は制止の声を上げた


「未成年者の飲酒は禁止ですー!!」

「そんなん知るか」

「大人しくシャンメリーを飲みなさい」


塑琉奈の言葉を無視して
グラスにシャンパンを注ごうとしたら
素早くそれにシャンメリーを入れられる


「てめっ…」


声を荒げようと顔を向けたら
ふと俺の唇は塑琉奈に塞がれた


「んっ…」


油のコーティングされた唇は
俺の唇をもツルリと染め上げる


「へっへー」

「………」


口を離されて見れば
塑琉奈は満面の笑みを浮かべていて


「かんぱーい!!」


カシャンとグラスを重ねると
嬉しそうに俺を見つめ、笑う


「メリークリスマス、キョウヤ!!
これからも大好きだよ!!」

「……ふん」


俺はその言葉を聞いて、顔が赤くなっているのを、塑琉奈に悟られないようにシャンメリーを口に付けた


「シャンメリーもいいもんだろー?」

「そうだな…」


シャンパンを口付けて言う塑琉奈に、俺は付け足してやる


「お前のキスには及ばないけどな」



獅子は雪と共に今日を祝う



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