盾神短編 | ナノ


心理ゲーム

「なあ、お前好きな人いんの?」


部屋の中。レオーネのメンテナンスをしていたら
塑琉奈がいきなりそう言った


「は?んだよいきなり」

「まどかから聞いたー」


塑琉奈はソファの上で横になり、足をバタつかせながら、俺を不思議そうに見る


「で、いるのかー?」

「……下らねぇ」


俺はため息をついてまた視線をレオーネに落とす。すると塑琉奈は「あっ!わかった!」っと声を上げ、起き上がった


「銀河か!!」

「………」


なんでそうなんだよ……


「違う?じゃあベンケイ!?意外とマニアックな……」

「お前な…」


俺は聞くに耐えず塑琉奈の言葉を遮らせた。するとこいつは首を傾げる


「じゃあ誰?」

「……っ前」

「へ?」


折角答えてやったのに肝心のこいつの耳には届いてなく。

…なんかムカついたから質問そのまま返してやった


「そういうお前はいんのか?」

「俺?」

「ああ」


塑琉奈はさほど気にする素振りも見せず、サラリとこう言った


「キョウヤ」

「…っ!?」


俺はまさかの自分の名前に、動揺を隠せずレオーネを床に落とした。それを見て塑琉奈はニヤニヤ笑う


「なんだどうしたー?」

「っ…うるせぇ!!」


まさかのカウンターに、俺の守りは一気に崩れてしまって

ちくしょう…顔があちぃ…だけど言われっぱなしはガラじゃねぇ


「俺もだ」

「ん?」

「俺も塑琉奈が好きだ」

「知ってるよー」


ああくそ……
全部お前の計画通りだったわけかよ


「うへへへへ」

「てめ…」


してやったりと楽しそうに笑っている塑琉奈が気に食わなくて


「…っん!?」


俺はゆっくり立ち上がり、塑琉奈のその生意気な口を塞いでやった


「…キョウ…ヤ?」

「これは予想出来なかっただろ?」


口を離せばやっと崩れた塑琉奈の守りに、俺もしてやったりとニヤニヤ笑ってやった



お前を照れさせた俺の勝ち


キョウヤ「もう一回してやろうか?」

塑琉奈「いっ、いいです!!」

キョウヤ「遠慮すんなよ…?」



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