「恋ってなんなんやろな」



キャットカフェで休憩中
ヤマトが急に珍しいことを言い出した



「なんだよ、悪い物でも食ったか?」

「わいやって考える時は考えるわ!!」



あまりにも予想外過ぎて
逆に心配してみれば

ヤマトはうがーっと声を上げた




あれから何年も月日が経ち
俺とヤマトは16歳近い



ビーバトルは変わらずしているとはいえ

何年かの月日は
心境を変化させるには充分だった


けどまさかヤマトの口から
その言葉が出てくるとはな…




「はぁ……」


俺が少し複雑そうに考え込んでいると
ヤマトはまたため息をついて
見えない先を見つめる



「なら好きな人でもできたのか?」




俺は突っ掛かるものを感じながら
やっとそう問い掛ける



何年も俺はヤマトといるのに


たかが1ヶ月そこらで
ヤマトが好きになった人に
それを直ぐ越されるのは
正直腹立たしい


けどそれは仕方なく

俺は俺で何も言わず
ヤマトの側にいただけのわけで

それで文句を並べるのは
些か野暮だと思う



それがいつか来ることだって


俺は止められる術なく…





「いやおらんけど」

「……は?」




拳を握りしめ、覚悟を決めた矢先に
聞こえたヤマトの言葉に

思わず俺は間抜けな声を上げてしまった



「ただ気になっただけや」



「街中のカップルとか見てふとな」
そう言ったヤマトに
俺は安緒を混ぜたため息をした


「お前なぁ…」

「グレイは気にならんのか?」



そのままヤマトの隣に座れば問われる

俺は少し口篭った



「まぁ、気になるけどさ」



お前がなと心の中で呟く

するとヤマトは
テーブルに突っ伏したまま口を開いた



「でもわい…、もしグレイが
他の人好きになっちまったら
立ち直れへんかも…」





ドキッ





ふとしたその言葉に
グレイの心は高鳴る


「なっ、なんでだよ…っ」


深く帽子を被り
少し赤くなっている顔を隠しながらグレイは問う

ヤマトはそんなグレイに気付かず続ける


「前にそうなった時のこと考えたら
嫌な気持ちになったんや」

「……」

「なんかこう…
モヤモヤして…悔しくて…寂しくて…」

「ヤマト」




話続けるヤマトの手に自分の手を添え
グレイは呼び掛ける

それに答えるように
顔を上げたヤマトを見れば

頬に伝う透明な線



「ホンマ……
なんやろう…この気持ち」



ぐしぐしと
目頭を拭うヤマトがいとおしくて

俺は思わず
その不安を溢した唇を塞ぐ



「んっ」



ヤマトはその瞬間
涙流す瞳を塞き止める

俺がゆっくり口を離せば

少し動揺しているのか瞳孔が収縮を繰り返すヤマト



「グレイ……?」








今までお前は辛かっただろう
この感覚を理解出来なくて

でもそれは…
醜い感情じゃないんだ


とても素敵なことなんだ

病みつきになっちゃうほどの





「ヤマト、それこそ……







恋なんだ






end





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初グレヤマ!!

淡い感じに仕上げてみました!!
グレヤマは一番葛藤がある気がして
ニヤニヤしながら書いてたりw

グレイは両想いに安心して
つい行動を起こしてしまったみたいです


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