「つーなーみーくーん」

「はーい!!!」


塑琉奈さんの大きな声で呼ばれ今日も頑張れる俺!
で、勢いよく振り返って見ると塑琉奈さんは俺の背中にぴとりと寄りかかった


「うーん…」

「どっ、どうした?」


正直それだけで俺の心は鷲掴み。
普段なら俺が抱き締めようとして塑琉奈さんが逃げる、そうしていつの間にか鬼ごっこ…なのに


「綱海くん、服脱いで」

「えっ…ええ!!!?」


塑琉奈さんは少しの間考えていて、
次にはまた唐突過ぎるお言葉。


そっ…それは大胆過ぎだろぉおお!!
此処でいいなら俺もOKだぜ!!塑琉奈さん!!!



俺は言葉通り、勢いよくユニフォームを脱ぎ捨て塑琉奈さんに向き合う


「おおー!!やっぱこれが一番!!」

「ああっ…あの…」


すると塑琉奈さんは途端に目を輝かせ、俺の胸に飛び込んでくると、うっとり…と目を細めた


おおおっ…落ち着け俺!!
まだがっついちゃだめだ!ムードを大切にせねば!!!

深呼吸!!深呼吸!!



「塑琉奈さ…あれ?」



自分の世界に入り込み過ぎてて、やっと向き合おうとした時には胸元に塑琉奈さんの姿はなく


「はい、ありがとー」

「は?はへ?」


見つけるよりも先に、ユニフォームを持った塑琉奈さんが目の前にいて俺はされるがまま、ユニフォームを受けとる。

そのまま塑琉奈さんは俺を置いて、ベンチの方へと向かってしまった


「……そりゃないぜー…」


残された俺は期待してた分
がっくりと項垂れるしかなかった



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