何故か俺の日課になってしまった
とある場所の散歩

気が付いたら……そう、
いつの間に引き寄せられるように

またあの場所に足を運ぶ俺がいた




「お前の母ちゃん、プテラノドンー!!」

「なぜ…わかった…!?」

「おいww」




午後20時過ぎにとある近くの公園で
必ず聞こえるバカみたいな
三人の女の声


その三人は少し雑談した後に
またどこかに戻ってゆくのが日課のようで

その中には勿論、あいつもいた





「ちげーし!!
俺の母ちゃんはマンモスだもん!!」

「マンモスうれぴーですか」

「もっとちげぇええ!!」





俺やイナズマジャパンのメンバーの時とは対照的に

子供ぽい、あどけない
楽しそうな声を出して笑うあいつ

不覚にもそれがまた
何か胸の中で引っ掛かって







「おりょ?」



そろそろ学校の休憩時間が
終わりに差し掛かり
戻ろうと三人で足を動かした時だった

塑琉奈は気になっていたか
少し遠くにあるベンチに
腰掛けてる人影に目を凝らす



「塑琉奈ー、どった?」

「授業始まるよ?」

「あー……、ああ!!」



来夢たちの声は耳から耳へ通り過ぎ

塑琉奈はハッと
そこに誰かがいるのが判ると

そのベンチにへ足を進め始め
対照的な場所にいる来夢たちに手を振った



「わりっ、授業サボるわ」

「?、あいさー」

「先生に言っとくねー」



塑琉奈の行動に
来夢と椎は然程気にする様子はなく
その場を離れていった










「不ー動ーくーん!!」

「っ!?」



後ろから声を掛けられ
いきなり塑琉奈に抱き付かれる

俺は思わず肩を揺らした



「ってめ…、学校だろが」

「そうゆう不動君こそ
なんで此処にいるんだ?」



まさかこんなバカに
俺の場所を判られるとは…

正直、してしまった感が否めない



「ただの散歩だ、つか離れろ」

「良いではないか、良いではないか」

「良くねぇ!!!!」




こいつはいつもそう

俺の威厳もイメージも
意図も容易く壊してしまう

だが、何故か嫌いになれない
侵食してくる
ただの悪い虫な筈なのに




「いつも此処に来るの?」


「っ…、関係ねぇだろ」

「だって昨日もいたでしょ?」

「な…っ!?」




塑琉奈の言葉に
思わず俺は目を丸くしてみやれば

にまっと笑って
俺の肩に顔を埋める



「はじめはね、違う人かと思って
声掛けられなかったんけど…」

「………」

「昨日ちゃんと後ろ姿を見てね、確信したんだよ」



でへへへっと
気持ち悪い笑いをする塑琉奈に

俺は未だ、ポカンと口を開けるしかなかった




俺がいつも此処にいるのを
こいつは見ていた…なんて




「夜遅いし、送ってくよ」

「……そうゆうのマジでうぜぇ」

「たまには甘えなよ?」

「……ちっ」



俺は気に食わず
ベンチから離れれば

悪態などものともせず付いてくるコイツ




なんだろうか
気付かれたと判った瞬間の
この胸の生暖かい感覚のする気持ち悪さ…



「……中まで」

「ん?」

「…途中までなら付いて来てもいいぜ」



けど嫌悪感は皆無

知能と感情は真っ二つに割れてるようだ

その証拠に
俺は結局、こう口走ってる



「…ではお供させて下さいまし」

「……ふん」



クスッと笑い、俺にかしづくと
いつもの余裕のある顔

さっきのバカな感じと大違い

……なんか、気に食わない






「…お前さ、たまにはよ…」

「うん?なんでしょ?」

「……何でもねぇ」





『さっきみたいに
あいつらにも振る舞えばじゃねぇか』

そう言おうと思ったが
柄にもないので喉奥で止めた




「そう言われると気になるんだが…」

「別にてめえのことなんざどうでもいいから
言うの止めただけだ」

「あっ、そうかい」






あんな振る舞いをすれば

またあいつらは目の色を変えるだろう

別にこいつのことは
どうでもいいが

それはそれで腹立たしい





「…おい」

「うい?」





俺だけ知ってればいい

こいつが普段は
更にバカだってこと






「バーカ」






鹿
その引き寄せ方は心を蝕む








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きゃー!偽物ww
反省はしない!ただ精進はする!←

意図的には
蟻として引き寄せられてみたら
馬鹿で可愛いかった蟻地獄が夢主で

だけど気が付いたら
その一面が見たくて
散歩で来てしまう不動君みたいな


あれ、日本語って難しい(゚д゚;)



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