「名前ちゃんさあ、なーにが不満なわけ。頭脳明晰で、スポーツも出来て?美術の才能もあって才色兼備って充分じゃねェか。」
授業真っ只中の時間。屋上。
晴れた青空の下、風が気持ちいい。
今日は髪を結ぶのが面倒で、風に遊ばれるままになっている。
振り向きもせず、ただ風を感じて寛いでいる私に、先生は静かな溜め息をついた。
「…想像出来るものってつまらないんですよね」
立ちながら、先生の方を振り向いて私は言う。
「勉強したら大体これくらいの点数はとれるな、こういう態度でいれば成績はこんなもんだろうな、こう描いたら色を使ったら、こう見える評価される、…なんてことが分かっちゃうからつまらないんですよね」
微笑みながら言う私に、先生は「そーかい」とだけ言った。
そんな先生に、私は一歩二歩と近付く。
「だからね、先生。私は想像しても予想外が起こるような人の関わりがしたいの。つまらないことするよりも、刺激がある方がいいじゃない?」
そう言って先生の首に抱きつくように腕を回すと、飴でも舐めていたのか、甘い匂いがした。
「まったく。あんまり教師をからかうんじゃねェよ」
そういう先生の顔はもう、教師ではなく、男の顔になっていて。
私はそんな先生に、キスをするのだった。
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