今日は長曾我部さんと遊べて楽しかったなぁなんて思いながら濡れた髪を拭いていればふと佐助さんを思い出しました。
佐助さんとはつい最近仲良くなった人で、…とっても優しい人。私の孤独を分かってくれていて、それを理解してなお優しく抱きしめてくれた。思い出してしまうと触れられたすべての箇所が暖かくて、逆に火傷してしまうのではないかと思うほど熱いんです。
今日、一緒に行ったのが長曾我部さんじゃなくて佐助さんだったら、うわぁなんだか恥ずかしいです!佐助さんが嫌いとかじゃなくてそう。むず痒いんです。
あっ、でも水の楽園じゃなきゃ佐助さんと遊びに行きたい、なぁ。うん。いつも佐助さんから誘われるから今度は私から誘ってみよう!


「今度お暇な時間はありますか?あったら一緒に遊びに行きませんか?、と!うん、送信!」


断られたらどうしようとか、なんだか後ろ向きなことしか考えられないけど、けど佐助さんとお話出来るならいいかな?うん。佐助さんとお話出来るのはスッゴく楽しいことだからそれはそれで嬉しいな。
……?あれいつもならもう佐助さんから返事来るのに、遅い?もしかしてお風呂とか?でもなんだか嫌な予感がして、手はもう佐助さんの携帯番号を押していて、出てくれますよね佐助さん?プルルと規則正しい音はずっと流れるのに、なのに佐助さんは出てくれなくて、どうしよう。こんなの初めてだ。佐助さん、どうしたんですか?


ぽたり、ぽたり

「あれ?おかしい、な…なんで?なんで、泣いてるの?」


拭っても拭っても落ちてくる涙。辛い、辛い。佐助さんと話せないことが、佐助さんの声が聞こえないことが。こんなこと初めてで、こんなにも胸がチクチクしたり締め付けられるのも初めて。わからない感情が私の心を満たしていてぐるぐる渦を巻く。こんなの、わかんないよ。佐助、さん!佐助さん!
どんなに呼んだって現れる訳無いって分かってるのに心は佐助さんを求める。なんで龍じゃないの?龍はいつも側にいてくれたのに。なんでこんなにも自分の心が制御出来ないの?私が一番わからない。

お父さんやお母さんが見てくれない悲しみじゃない。心が締め付けられるこの感情はなんなんだろう。こんなときに思い出すのも佐助さんのあったかい笑顔と抱きしめてくれた暖かさ。
佐助さん。私佐助さんと話せないことがこんなにも辛いんです。佐助さんならコレがなんだか分かりますか?
寝たら明日はまた佐助さんがいつものように微笑んでくれてると思い来た睡魔に身を任せたんです。それが明日からの地獄の始まりなんて知らずに。



無自覚らばー
(いつの間にか貴方が大きな存在になってました)






20100120
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -