君と歩む道。
本当はそんなものはないと思った。
僕の歩む道は闇、そうその闇そのものであると思っていたからです。
けど、君といることで僕は光を知ってしまった。
僕は君と歩みたい。
それは思ってもいいことなんですかね?




(光を欲する僕)




僕の彼女は泣き虫で心配性、そしてなによりも光のような人です。
笑ったり泣いたり喜怒哀楽も激しいですがそれでも太陽などの暖かい光を連想させる彼女。
そんな彼女、千代に溺れるように恋をしたのは僕です。


「千代」

「どうしたの骸くん?」

「千代」

「? あっ、なでなでだよね?」

「クフフ。流石は千代です」

「骸くんの彼女ですから!」


胸を張るようにして答える千代は子供っぽく、でもやっぱり可愛い笑顔を浮かべています。
なでなでと口ずさみながら僕の頭を撫でる千代の手は暖かくいつまでも縋りたくなるようなものです。
僕の心のなにかが満たされる、その度に千代を愛おしく感じるんです。


「千代…」

「んー?」

「千代、好きですよ」

「骸くん?」

「本当に好きですよ」

「私も大好きだよ?」

「知ってます」

「ふふ。変な骸くん」


はにかみながら笑う千代。
確かに僕は変なのかなもしれない。
千代に出会ってからというものの、闇に染まっていた道すら千代の優しさで包まれた光の道に思えてしまうんです。
そして、その光が僕に当たり前の日常の幸せをくれるんです。

幸福とは君と歩む道で、当たり前は犬、千種、クロームが側にいる日常。

そんな当たり前が今は大切にしたい。
なによりも、ずっと手にしていたい。


「千代…僕は君に出会えてよかったと思ってます」

「私もだよ骸くん」

「君がいて僕がいて、そして犬たちがいる」

「……」

「それが僕の幸せなんです」

「骸、くん」

「クフフ。本当に愛してます千代」

「うん!私も愛してる!!」


君に出会って、恋をして、隣で君が微笑んでくれる。
そして共に同じ道を歩んでいく。
それはなによりも幸せなことで、極平凡な日常。

そんな毎日を僕は大切にしたい。

それを表すかのように優しく口づけを交わす僕たち。
好きですよ千代。




(いつか、共に道を歩んでください)
(骸くん…)
(一応、プロポーズですからね)
(ふふ。わかってるよ)





*オマケ*


「む、骸さん!」

「おや?犬たち帰ってたんですか?」

「今帰ったばかりです骸様」

「そうですか。どうかしましたか?」

「千代と、結婚するの?骸様」

「はい。当たり前を聞かないでくださいクローム」

「うひゃー千代が可哀相れす」

「…クフフ。犬、覚悟しなさい」

「キャン!すいません骸さん!!」

「骸くんと結婚しちゃダメなの?」

「違うよ千代。ただ骸様、変だから…」

「変?」

「そう。はぁ、(骸様は変態だから)めんどくさい」


*end*


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20090922
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