オレの好きな女は、ぞくに言うツンデレらしい。
オレや10代目、野球馬鹿にはツンツンで、アイツにだけデレデレ。
ムカつくっていうのはウザイとかではなくて、好きからくる嫉妬。
アイツに振り向いて欲しいから今日も今日とて頑張るんだよ!
つんでれガール
(大好きなアイツ)
今日は10代目の家にオレと野球馬鹿、千代、そして最大の天敵、馬鹿女こと三浦 ハルがいる。
なんで嫌いかって言うのは簡単なことだ。
千代のデレデレはこいつ限定だからだよ!
「おい、千代」
「気安く私の名前を呼ぶな!」
「んなっ!」
「千代ちゃん、ツナさんまだでしょうか?」
「あっ、やっまだかもしれない!」
「そうですよね…」
「いや!すぐ来ると思うよ!」
そう言いながら頬を染める千代はか、可愛いが、その相手が馬鹿女だってのがムカつくんだよ!
なんでも馬鹿女はお金を忘れて困っていた自分に手を差し伸べてくれ、それが女神に見えたんだとよ。
普段はクールで誰しもが一目置く千代は馬鹿女の前にはなく、優しく、穏やかな千代しか馬鹿女の前にはいない。
ガチャ
「みんな、お茶とお菓子持ってきたよ」
「ツナさーーん!!」
「うわっ!いきなり抱きつこうとすんなよ!」
「ハルはツナさんに会いたかったんです!」
「や、やめろよ!(千代ちゃんがめちゃくちゃ睨んでるー!!)」
10代目…心中お察しします。
端から見ても千代は馬鹿女が好きってわかる。
そうせいか、馬鹿女が話す奴は嫌いらしい。
当然、10代目はその対象だ。
ここはオレの出番ですね!
「おい千代!10代目を睨んでんじゃねーよ!」
「黙れ忠犬!私はあいつが気に入らないだけだ!」
「10代目の悪口言ってんじゃねーよ!!」
「だったらお前がツナと結婚しろ!!」
「んなっ!なんでそうなんだよ!!」
くそっ!本当に馬鹿女以外にはツンツンでいやがる!
んで、こーなんだよ!
「ダメですよ千代ちゃん!」
「ハルちゃん…!」
「それじゃ恋愛対象に見てもらえませんよ!」
「あっ?」
「あっ!ハルちゃん!!」
「はひっ!?す、すいません!」
恋愛対象、今そこにいる馬鹿女はそう言った。
今、千代と言い合いしていたのはオレで、普通に考えて、馬鹿女が言ったのはオレが千代を恋愛対象と見なくなる。
ってことはもしかして、千代は…。
「おいっ、千代…ー」
「ち、違う!私は忠犬が好きではないぞ!」
「あ?」
「ハルちゃんの言い間違いだ!私は獄寺なんか好きじゃない!ツナと一緒に居るのが羨ましいなんて思ってない!ましてや獄寺に話しかけてもらうことが嬉しいなんて思ってないからな!」
「!!」
「(全部本音がでてるーー!!)」
真っ赤な顔で全否定をする千代。
けどそれを聞けば聞くほど、愛しく、可愛い思えてくる。
オレの片思いでおわんだなって思ってたけど、んなことなかったってことか。
「オレが好きなのか?」
「あっ!そんなことない!」
「オレはその、す、好きだぜ?」
「なっ!私は、私は…!!」
「早く返事しろ!!オレだって恥ずかしいんだよ!」
「お前は恥ずかしそうじゃない!」
心臓だってバクバクなんだよ!
けど、馴れちまったんだよ!
コイツが好きで、一言一言に神経研ぎ澄ましてたらな。
「早く言えよ!」
「あっ、うっ…好き…」
チュッ
「おう。知ってる」
確信をもって言えば口をパクパクして驚いていて、いや、唇にキスしたからか?
どっちにしろ小さく呟かれた言葉は俺にとって幸せの証。
俺だけのつんでれガール
(千代ちゃんに触らないでください!)
(てめぇー千代を返せ!)
(オレたち忘れられてたね)
(獄寺のアホー!)
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