どうしよう、そう思いながら教室を覗きこんでしまう。
まさか、まさか彼がまだ教室に残っているなんて思いもよらなかった。
私が本を帰しに図書室に行っていたから悪かったのかな、なんて改めて考えてしまう。
けど、もしかしたら行かなくても行っても彼はいたかもしれないし、うんそうだよ、だから深く考えなければいいんだよね…!
ああ…!でも気になる彼が今目の前にいる、けど、今日に二人っきりなんて私には堪えれないだろうし…ぐだぐだ悩んだって仕方ないよね。
本当にマフィアの娘なのかな私?
でも、お父さんが私に行けって無理矢理マフィア学校に入れたんだから、私の意思じゃないし、そう考えれば私のせいじゃ、ないんだ!

って違う違う!

今はそんなことを考えてる場合じゃない。
今、どうするかだよ!


「(うわぁ、スッゴく綺麗…)」


夕日に照らされてキラキラ輝く金色。
思わず目を細めてしまったのも、見つめてしまったのもしかたがないような気がした。
普段の数倍キラキラ輝く髪は彼のかっこよさを倍にさせてしまう。
ああ、カッコイイ。
窓が開いているから風に靡いている髪。
ああやっぱり彼は綺麗だ。
例えるなら真っ白な犬、みたいな感じかな。


「(カッコイイ…)」


ずっと彼を見ていればもう、そんな言葉しかでない。
それってやっぱり彼が大好きで、嘘なんか絶対につけない気持ちなんだ。

観察しているようにに見ていれば彼はゆっくりと窓から離れて、徐に歩きだしてしまった。
かっこよかったのにと内心愚痴りながら彼の行動を見ていたら驚いてしまった。
それは彼が私の席に近づいていたからだ。
これといって彼と席が近いわけでもない私の席にいったいなんのようなのか、そんな気持ちが入り混じりながら食い入るように見る。


「(うわぁ…っ、すっごい!あんなに距離が近いなんて)」


彼の行き先が私の席じゃないかと思ったけど、それは違ったみたい。
手で私の机を指なぞるのはやっぱり彼で、声がでてしまうんではないか、そんなことを思っちゃうくらい驚いた。
なんで私の席なのか、なんで触っているのか、溢れ出す質問は多いけど彼が私の机の前に立っていて、触っているのは事実。
私に触れているわけじゃないのになぜか体中が熱い。
きっと彼に恋をしているからなんだ。
好きで好きでしかたないから、こんなにも熱いんだ。
これで机にキスでもしてくれたら私の気持ちにも光が見えるのにな。
きっと淡い願いなんだろうな。


「…え」


淡い願いかもしれないと思っていたら−−現実となってしまった。
彼は気がついたら私の机に優しくキスをしていた。
その姿は王子様を想像させ、私の顔が熱くなる。
予想外のことにもう頭はパニックになってしまい、いつの間にか私は教室へと踏み入れてしまいバッチリと彼と目があってしまった。


「へ…!」

「あ、の…」

「わ、わわわ…!ごめん!あの、これ…!」

「ーっ!!」

「! 待ってくれっ!!」


その言葉に私の足は鉛のように重くなって動かなくなってしまった。
心臓がドキドキと音を発てる中、ゆっくりと振り向けば夕日にも負けないくらい真っ赤になった彼と目が合う。
−−こんなときでもカッコイイなんて、狡いよ。


「キス、机にキスしたのはごめん…!」

「う、うん」

「そ、の…」

「なんで?」

「え?」

「なんでキスしたの?」

「そんなの…−−」




(私もディーノ君が好き)






20110418
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