あーもう!!本当に彼は殴りたくなる!
だいたいあの人が忍(それも身分の低い忍だったらいいのに!)だから殴れないだけで、普通だったら殴ってるわ。
卑猥行為でね!


「千代ちゃん!」

「なんですか猿飛様」

「やだなー千代ちゃん。俺様と千代ちゃんの仲でしょ!佐助でいーよ佐助で」

「丁重にお断りさせていただきます」

「えー」


なにがえーだ!
第一さっきから人の腰撫でたりとか立派な卑猥行為よ。
来る度来る度飽きもせずに毎回毎回、卑猥行為するなんて…!
何様よこの変態!
もー主はあんなにも純情で可愛い方なのに、従者が変態なんて…幸村様可哀相。
そんな哀れみの篭った目で猿飛様を見ればなにを勘違いしているのか頬を少し染めて満面の笑みで私を見てきた。
これが幸村様だったなら可愛いで済むんだけど、猿飛様だからなんだか変態が鼻の下伸ばしてるみたいで不愉快だわ。


「千代ちゃんそんな見つめないでよ。俺様すごく恥ずかしいでしょ!」


なんか、いや危ない汗が背中伝っているんだけど!
なにこの人。
え、え、本当にこれ誰ですか?
猿飛 佐助という名の皮を被った妖怪ですか。
いや、そうなんですよね。絶対に。
じゃないと普段から変な猿飛様がさらに変で、いらないほどに変態に見えてしまう。
いや、まぁ変態なんですけど。
これ以上気持ち悪くなってほしくないですからね。


「一体なんのようでしょうか猿飛様?」

「あ、そうそう!俺様と一緒にでーとしませんか?」

「でーと?」

「そう、竜の旦那に教えてもらったんだー」

「(なんだろう。すごく嫌な感じがするんだけど)」


聞いちゃいけないって私の本能が告げている。
こういうときって聞かないのが1番のような気がするんだけどさっきから期待してこっちを見ている猿飛様がいるんですけど、一体私にどうしろと言いたいんでしょうか。
いや、多分というか絶対に聞いてほしいんでしょうが。
ひどく聞きたくない。
いや、聞いちゃダメなようなきがします。
うん。でも聞かなきゃなにか言われそうだから一応、本当に一応聞きますか。


「一応、お聞きしますがでーととは?」

「うーん逢い引き?」

「(やっぱり!)でしたら丁重にお断りいたします」

「なんで!?」

「する理由がございません」

「絶対だめー?」

「はい」

「本当に?」

「はい」

「もしかして恥ずかしがってる?」

「それはございません」


いい加減諦めるって選択肢を選んでほしい。
私は好みでいうなら幸村様であり決して猿飛様ではない。
顔だって整ってますし、女中には人気ですが私は自然体な方が好き。
だから私は猿飛様みたいに作った人が嫌い。
それが例え仕事だとしても私は嫌。
素が私は見たい。


「……もし、猿飛様が」

「ん?」

「猿飛様が普通に笑ってくださるなら考えてもよろしいですよ?」

「〜っ!千代ちゃん!!」

「きゃああ!!??猿飛様!」

「ありがとう!千代ちゃん!!」

「!」


抱き着いてきた猿飛様を見ながらなんだか変な気持ちが沸き上がる。
さっき見た本当に幸せそうな笑顔をみて心の臓がばくばくいってる。
あぁ、否定したいけど、できない。
こんなに好きになるのが早いなんて、ああこれが伊達様の言っていたぎゃっぷですか。
なんて思いながらも猿飛様の背に手を回してしまう私も私ですね。





(千代ちゃん本当に好きだよ!)
(私もですよ佐助様)
(千代ちゃん!)
(ふふ)







Thank you request!!
瑠璃姫様のみお持ち帰り可

20100710
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -