貴方様の横にいれることが幸せだった。
大好きで大好きな貴方様の笑顔。
それを間近で見れた私は幸せ者だと皆に言えるくらいだった。

いつからだろうか。
幸村様が愛しいと思いだしたのは。
あぁ、あの日からだ。
私が武将になって間もないときかな。


『ふっ!はっ!』

『千代殿!!』

『! 幸村様!』

『某とお手合わせ願いたい!!』

『えっ…?』

『千代殿は素晴らしい武将でございまする!共に強くなりたいのだ!!』


この日だったんだ。
幸村様が私と手合わせをしてくれて、私を武将として認めてくれたとき、確かに私は彼を愛しいと思った。
大好き、大好き。
想いを伝えれなくとも私は彼が好きでいた。
でも気がつけば私たちは付き合っていて愛を確かめ合っといた。
それが合ったからこうなってしまったのかな。


「千代殿!千代殿!」

「幸、村…さ、ま…」

「約束したではないか!今度の戦が終わったら婚礼の儀をすると!!」


そうだ。幸村様と私は約束していたんだ。
今回の戦が終わったら私は武将を辞め、幸村様の横に立つのだと。
けど私は、私は幸村様を庇って斬られたんだ。
この血の量を見ればわかってしまう。もう私は助かりはしないのだと。
きっとこんなにも幸せだったから罰が当たったのかな?
いやだ。私、こんなにもまだまだ未練がましい。
最低にもほどがある。
ギュッと幸村様に掴んでいただいているはずなのに温もりがまったくわからない。
もう、終わりなんだ。
ねぇ幸村様。
貴方様は幸せでしたか?
私などといて、少しは安心できましたか?


「幸…村、さ…ま…もう…」

「! いやだ!某は!」

「…幸…、村ぁ…」

「死ぬな!死ぬな千代!!俺は…!俺は…!」

「っ、…なか…ない、で…幸村、さ…ま」


ギュッと握られた手も、今は違う。あの時とは違う理由で握られている。
笑ってくださった顔は泣き顔に変わっているのが今は辛い。
笑ってよ幸村様。
貴方様には太陽のような笑顔が一番似合うんですよ。
側にいた私が言うんですから間違いないです。

ねぇ幸村様、私は幸せでした。
優しい貴方様と心が結ばれ本当に幸せでした。
ねぇ幸村様、貴方様と幸せを共有できたことを私は誇りに思います。





(だってそれで私は恋に落ちたのですから)






20100226
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