今日は空も澄んでいてすごく清々しい朝。
こんな天気を見ていると私は彼を思い出しちゃうの。
きっとそれは彼の笑顔がこんな天気と同じように清々しいからなんだと思う。
表現はおかしいけど、でもやっぱりそんな風にしか思い付かないんだ。


「なに朝からにやけてんだ気持ちわりぃ」

「むっ!しっつれーだよ獄ちゃん!」

「誰が獄ちゃんだ!しかし、てめぇもあんな野球馬鹿のどこがいいんだよ?」

「うーむ。…全部だよ獄ちゃん!」

「………聞いたオレが馬鹿だった」


馬鹿だこいつ、とでも言うように見てくる獄ちゃんを見て私はむぅと頬を膨らませる。
馬鹿ってのはひどくないか獄ちゃん!
私は馬鹿でも山本馬鹿なんだよ。
そう言ってくれた方が私的には嬉しいのに。
獄ちゃんは乙女心をさぁーっぱり理解してないから彼女ができないんだ。
絶対にそうだよ!
今度絶対にそれ言ってやろー。
でも絶対に殴るからツナのところに避難しなくちゃいけないや。
もんもんと今度獄ちゃんを弄る計画を立てていればいれば軽く殴られた。
痛い、だれなのーっ!なんて苛立ちを向けるように目の前を向けばそこにいたのは獄ちゃんと、ツナ?見たところツナは慌ててるけど。


「馬鹿のくせに10代目を無視してんじゃねーっ!!!」

「いったーい!女の子には優しくしてよ獄ちゃん!」

「そうだよ獄寺君。千代痛そうだよ?」

「大丈夫ですよ10代目!こいつは馬鹿ですから!!」

「(清々しい笑顔で言ったー!!!!)」

「意味わかんないよーっ!獄ちゃんのばあぁあぁかあぁぁあ!!!」


そうすれば周りから多大に注目されているのに気がついて恥ずかしくなってしまう。ああもう!だいたい獄ちゃんがいけないんだ。
殴ったりなんかするから。
そんなんだから本当に彼女ができないんだ、って私も今まで彼氏なんてものはいなかったけど。
できれば山本がいいなーなんて願ってるけど、夢は夢だよなーなんて思ってる。


「それよりなーに?」

「これバレンタインのお返しだよ」

「あ、ツナーありがとう!すっごい嬉しい!!」

「当たり前だ!10代目は心がお広いんだよ!!」

「獄ちゃんはお返しも寄越さないんだからえばらないのー」

「ってめぇー!ほらよ!」

「あでっ!」


何かを私の額に思いっきりと投げる獄ちゃんに怒ろうと思ったけど、その投げられたものを見ると自然と喜んでしまう。
なんやかんやいいながらも獄ちゃんもお返しくれたんだ。
ツンデレなんだね獄ちゃん!
だから女の子に人気あったんだー。
ようやく納得できた、なんて一人ウンウン頷いていたら額に誰かの手が当たった。
誰だろう、なんて上を向けば大好きな彼がいた。
慌て前を向けば呆れた獄ちゃんとツナがいたけど。
やっぱり獄ちゃんはいじわる!


「ははっ、おでこ真っ赤だぜ千代!」

「むー獄ちゃんのせいだよ山本ー」

「そっか、そっか。じゃあ痛いの痛いの飛んでけー!なんてな」

「!」


ニカッと笑う山本の姿はやっぱりカッコイイ。
うわあああ、スッゴく間近で見れちゃった。
どうしよ、顔がにやけちゃう。
え、もうスッゴく素敵…!


「あ。これお返しなのな」

「あ、ありがとう山本!」

「どういたしまして!」

「えへへ!嬉しい」



思わず破顔してしまうのはしかたないことだよね!
大好きな人にお返し貰えるなんて私、しあわせ者だ。
普通はあんなに多く貰ってたら返せないから。
だから凄くしあわせ。


「あ、あともうひとつお返しな!」

「え」


何をくれるの?なんて言おう思ったとき額になにかが当たった。
直ぐに離れたけどなにかチュッっと音も聞こえた。
一体何なの、なんて問おうと思えば「キャーッ!」なんて女の子の悲鳴が聞こえて驚いた。
ツナは真っ赤になって獄ちゃんは呆れていて、え?
顔を上げれば山本はいつもの顔で笑っている。
もしかして、なんて思ってると顔がどんどん熱くなるのが自分でも分かっちゃって…!


「や、山本…!」

「いい加減気が付いたか?」

「え、」

「オレ千代が好きだぜ」

「ーーっ!」

「お返しあげたのだって千代だけだし、なにより今キスしただろ?」


な?なんて爽やかに笑う山本を見てこっちが真っ赤になってしまった。
嘘みたい、なんて改めて思う。
まさか、まさか私のこと山本が好きなんて…。
どうしよ、すっごい嬉しい。


「千代は?」

「すき、すっごい山本が好き!」

「オレも好きだぜ千代」


お互いに顔を合わせれば自然と微笑んでしまって、ああこれがしあわせなんだって思う。

これからも大好きだよ山本!




(両思いってすっげーしあわせだよな)
(うん!ホワイトデーってのもロマンチック!)
(へへっ、サンキュー)







ホワイトデーフリリク
悠璃様のみお持ち帰り可

20101110
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