「いやあああああ!!!!」

「騒がしいぞ蒼空。静かにしねーと近所迷惑だぞ」


いや、はい。確かに、確かにそうなんですけど!
リボーンのその顔見たら誰しも叫びますよ。
急いで帰ってきて家に入り部屋へと向かい、リボーンにさっきのことを話そうと見れば顔にたくさん付いているカブトムシ。
一匹や二匹ならまだいいんですが、顔いっぱいに付いているカブトムシはさすがに気持ち悪いです。
軽いトラウマになりそうです。
今日は叫んでばっかりです。


「あ!それよりもリボーン、あの女性が、その!!」

「女性?もしかして蒼空、殺されそうになったのか?」

「う、うん。なんでわかるの?」

「さっきの子分達が教えてくれてな。そいつはビアンキ。昔の殺し屋仲間だ」

「えぇーー!?」


目から本当に目玉が飛び出るんじゃないかってくらいに驚く。
でもリボーンの知り合いだとしてなんで私は命を狙われているのか、不思議と感じます。
私はこれといってその女性との接点があるわけでもないですし、ましてや初対面の方に命を狙われるというのはおかしいような気がします。
一体なぜ、あの女性は私を?


−−ピーンポーン…

「イタリアンピザでーす…」

「ピザ屋さん?お母さんが頼んだのかな?リボーン、取りに行ってきますね」

「ああ」


ピザなんて頼むの久しぶりです。
けど頼むなんて母言っていましたっけ?
もしかしたら配達間違えみたいなものかな。
階段を降りながら何度も何度も考えるけどもまったく検討はありません。
あ、リボーンかな。
イタリアンっていえばリボーンかもしれない。
そう思い、ドアを開けたんですが…−−開けてはいけなかったみたいです。


「お待たせしました。あさりピザのお届けでーす」

「あ!さっきの方!」

「めしあがれ!」

「!」


気がついたときにはもう辺りが異臭でいっぱいになっていた。
女性がいきなりガスマスクみたいなものをしたかと思えばピザの入れ物を開けた。
その瞬間、なんとも言えない異臭が辺りを包んで自然と私はその異臭のせいか呼吸ができなくなった。
苦しいや死ぬ、じゃなく意識が朦朧としてなんにも考えられない。
体は自然と床に縫い付けられているようでまったく動けない。
どうしよう…。


−−ズキュウウウウ

「!っは…」

「ちゃおっス、ビアンキ」

「リボーン」


銃声が響くと今までしていた異臭がまったくしなくなった。
呼吸も楽になって落ち着きながら目を開けば黒い背中が見えた。
ああ、リボーンだって納得する前にもう彼は喋っていて、やっぱりビアンキさんと呼ばれる女性とは仕事仲間なんだってわかります。
でも、心なしか…顔が紅くなってませんか?


「むかえにきたんだよ。また一緒に大きい仕事しよリボーン」

「あっ!(泣いちゃいました!)」

「やっぱりあなたに平和な場所は似合わない。あなたのいるべきはもっと危険でスリリングな闇の世界なのよ」

「言ったはずだぞビアンキ。オレには蒼空を育てる仕事があるからムリだ」

「うぇ!」

「………かわいそーなリボーン」

「えっ」


ぐすんと何回も鼻を鳴らしているビアンキさん。
女性の涙って綺麗なんですね、なんて場違いなことをさっきは一瞬思いましたが、ビアンキさん、もしかしてリボーンが好きなんでしょうか?
いえ、好きなんですよね。
だから私がいてリボーンが帰れないから、私が嫌で、嫌いで…殺しかけたんじゃ…いや、まさかありえませんよ、ね。


「この10代目が不慮の事故かなにかで死なない限りリボーンは自由の身になれないってことだよね」


嫌な予感がすっごく当たってましたーー!?
どうすればいいんですか!?



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