「なんでいうことをきかねー」

「で、ですが…休むわけにはいきません!!」


朝からずっと続いているこのやり取りにだんだんとイライラが積もっていたリボーンはついに愛銃へと手を伸ばした。
いい加減にしろ、オレのいうことを聞け、の気持ちを込めて上へと発砲する。
目の前にいる蒼空もまさか発砲するとは思わなかったのか驚いたようにして床にしゃがみ込む。
パラパラと落ちてくる壁に驚きながらも目だけは語っていた。
学校に行くのだと。
彼女は風紀委員長かと言いたくなるほどになぜか学校へ行くことに執着している。
昨日の今日なのだからこちらの心配する気持ちを理解してほしいものだとリボーンは思った。


「いい加減にしろ。昨日、体調不良で倒れたんだ今日は休め」

「でも学校は大事です!」

「自分の体調と天秤にかけたら休むぞ普通」

「けど…!」

「オレは同じことを言うのが嫌いだ。それでも行くってなら」


スッと静かに向けられた銃にじわりと嫌な汗が背を伝うのがよく蒼空にもわかった。
この雰囲気は本気だ。
本気で撃つ気だ。
そんな雰囲気に蒼空もどうしようかと本気で悩みはじめる。
逃げるかおとなしくするかの二者択一。
その緊迫した空気の中、蒼空の部屋の扉がゆっくりと開いた。


「蒼空ちゃんどうしたの?朝からリボーン君と遊んでたかしら」

「え、あ、お母さん」

「聞いてくれママン。蒼空の奴が学校行くって聞かないんだ」

「え、蒼空ちゃんそれはダメよ!」

「大丈夫です!学校行けます!」

「いいから蒼空ちゃん今日はお休み!ゆっくりと身体を休めないとまた同じことになっちゃうでしょ」

「う、」


母の真剣な瞳に圧され蒼空の勢いがなくなっていく。
本人はまだ行く気なのだが大事な母にそう言われてしまうとどうも強くでれないのが蒼空の心理であって、これが母でなければ意地でも行っていただろう。
しかし相手は母だ。
大事で大事でしかたがない蒼空の大切な人だ。
そんな相手なので自然と蒼空の口から「はい」という答えがでるのにたいして時間はかからなかった。

母はやはり強いのだと改めて蒼空は感じるのである。



泣かないで大空の君
(素直になれたらいいのに…)




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