「リ、リボーン!大丈夫なんですか!?」

「ああ。んな格下なんて相手にしてらんねーぞ」

「(カッコイイけど可哀相です!)でも、」

「次いくぞ」


先程からこんな会話をしているのには理由があるんです。
リボーンが小さな子供、いえヒットマンを無視し続けているのが理由です。
さっきまでいた子牛君はランボ君と言ってリボーンを倒しにきていたんです。
けどリボーンはなぜかランボ君を無視し続けていて、ランボ君が攻撃すると倍返しでランボ君に攻撃するんです。
そんな姿も痛々しくて、でも助けたりするとリボーンはランボ君のためにならないって言って、う、うぅどうすればいいんですかー!?


「死ね!リボーン!!」

「うぜぇぞ」

ガアァン!!

「!(あぁー!?)リボーン!!私ランボ君助けます!!」


それだけ言ってリボーンの方に振り返ることもなく部屋を出ていきました。
リボーンが後ろで舌打ちしてるなんて気がつかなかったんですが。
今はランボ君が心配です!

下に降りて急いでベランダに行けば居るのは所々焦げたところが目立つモジャモジャ。
ランボ君だ!って思い急いで近付けばぐすぐすと鼻を啜る音がして、あぁ…リボーンの容赦ない攻撃が痛かったんだと悟りました。
本当に悪いことをしちゃったと思いゆっくり近付けばランボ君は音に驚いて急いで後ろを振り向きました。


「あっ…」

「? お前だれ?」

「私は沢田 蒼空。この家に住んでる人ですよ。ランボ君は大丈夫ですか?」

「ランボさんの名前知ってるの?」

「はい!さっき自己紹介してましたよね?」


そう言うとパアッとランボ君の周りに花が咲き誇るようでした。
きっと一生懸命自己紹介をしていたのに誰も聞いていないと思ったからでしょうか?
ふふ。そう思うとランボ君はヒットマンではなく五歳の可愛い男の子に見えます。
こんなにも小さな男の子がヒットマンだと想うと物凄く心が痛みます。
まだきっと死ぬや殺すの意味さえ知らないのに、それでもヒットマンとして働いているなんて、こんなの悲しすぎます。
頭では理解してても言葉にできません。


「蒼空ー?」

「は、はい!」

「特別に蒼空はオレっちのことランボって呼んでもいいぞ!!」

「ふふ。ありがとうございます」

「蒼空ちゃんご飯よー!」

「はーい!あっ、ランボも食べていきますか?」

「オレっちも食べるー!」


今はまだ知らなくていいことですよね?
だって、こんなにもランボの手は暖かいんです。
知ってほしくないですよ…。
きっと私のわがままなんでしょうが。

庭からリビングに入ればお母さんが昼食の準備をしていて、ランボもいいか聞けば直ぐに了承の返事が返ってきました。
やっぱり母は優しい方です。
泥だらけのランボを拭いていればリボーンも下に降りてきて席につけば食事が開始の合図。
ランボもリボーンが来たことに恐怖を抱いたのかギュッと私の服を掴んで離しません。
やっぱり子供だって思っちゃいます。


「蒼空。なんでそいつがいる?」

「え?ランボも一緒に昼食を摂るためですが…」

「目障りだぞ。早く捨てろ」

「リボーン!」

「あららのらー。リボーンそんなこと言っていいの?ランボさん本気でリボーン殴っちゃうよ?」

「調子にのんなアホ牛」

「ぴぎゃっ!ランボさんもう怒ったもんねー!!」

「やってみろ。風穴空けるぞ」

「死ねリボーン!!!」


「いい加減にしてください!!」


「!!」
「ぴぎゃっ!」


もう、怒りました。
二人して喧嘩を始めて。
なんで二人は仲良くしないんですか!?
せっかく二人とも歳が近くて仲良くなりやすいのに。
リボーンは大人びているのに直ぐに喧嘩を売りますし、ランボはランボで直ぐに死ねなんて言葉を使って…!
子供の喧嘩ではないですし、もしかしたら命にだって関わってしまうのに、もう、二人とも…。


「そんな、危ないこと…しないで…!」

「蒼空」

「もしも、怪我したらどうするんですか?リボーンとランボが危ないじゃないですか!そんなの止めてください…!」

「お、オレっち喧嘩しないよ!ランボさんいい子にする!!」

「オレも…考えてやるぞ…」

「二人とも…」


そう言って二人とも私の側に寄ってきてくれて、分かってくれたらいいなって思ったんです。

きっと二人もいつかわかってくれますよね?


心配をかけないために
((ムカつくけどアホ牛を撃ったりするのはやめるぞ))

((ランボさんが喧嘩すると蒼空が泣くかもしれないもんね!))



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