獄寺君と友達になれて一日経った今日。
朝からお話しようと思ったんですが、あいにく彼は来ていないようです。
もしかして怪我とかしたのでしょうか?
不安ばかりが私を支配して仕方ないんです。


「沢田」

「は、はいっ!」


いけないです!
今は授業中だったのを忘れてました。
しかもその授業は根津先生の理科です。
根津先生は成績の悪い人や不良の生徒だとすぐにいじめるから正直苦手なんです。
私もケアレスミスで点数を落としたとき、物凄く言われましたから。
急いで行かなくちゃ…!


「沢田は今回も100点だな。このままいけば私のようにエリートコースに進めるぞ」

「はい…ありがとうございます…」


そう言って根津先生からテストを受け取り席に戻ると周りの人達は「すごいね〜」「さすが沢田さん!」と言われて「ありがとうございます」って返事をしました。
今の私はそれよりも獄寺君が心配なんですが。


ガラッ

「あっ…」


私が席に着いたと同時に開いたドア。
まさか、と思い後ろを見れば、昨日見た銀髪の彼…獄寺君が歩いて来るのが見えました。
獄寺君の体に怪我もなくよかったと思うんです。
「コラ!遅刻だぞ!!今ごろ登校してくるとはどういうつもりだ!!」

「ああ!?」

ギラッ


案の定、こんな時間(三時限目です)に登校してきた獄寺君を根津先生が許すはずもなくすごい剣幕で獄寺君を叱っていました。
けど獄寺君も負けず劣らずの凄みの効いた睨みで根津先生を睨むと根津先生が怯みました。
はわ〜獄寺君の睨みって凄いです。
そんなことを思っていればいつの間にか獄寺君が私の横に居て、…。


「おはよーございます10代目!!」

「あ、おはようございます獄寺君!」

「ハイっす!!」

「ゴホンッ、あくまで仮定の話だが平気で遅刻してくる生徒がいるとしよう」

「!!(まさか…)」

「そいつはまちがいなくクズだ。そいつのせいで優等生もクズの扱いを受けてしまうほどにな」

「っ!」


ひ、酷いです!
絶対に根津先生は獄寺君のことを言ってます。
獄寺君はクズでもなんでもないのに!!
獄寺君は本当にいい人なのに…!
私のことより獄寺君をけなす根津先生が許せません!


「根津先生…!」

「おっさんよく覚えとけ」

「!?」

「10代目沢田さんへの侮辱はゆるさねえ!!!」

「!」

「あっ(獄寺君…)」


私が抗議しようと思い立ち上がれば獄寺君はそれよりも早くに根津先生に抗議に…いえ、掴みかかっているんですが私のことについて言ってくれました。
獄寺君が根津先生につかみかかってるのを見て慌てて根津先生に目をやれば顔を青くして泡まで吹き始めてました。
と、止めなきゃ根津先生が…!
獄寺君も本当に悪くなっちゃいます!


「ご、獄寺君やめてください!」

「10代目!?」

「獄寺君に非が出来ちゃいます!」

「「「(問題そこーーっ!?)」」」

「10代目ぇー!オレのためを思っていただき…!獄寺 隼人どこまでも着いてきます!!」

ポイッ

「「「(先生捨てたーー!?根津だけどよくねー!!)」」」


獄寺君が急いで私の方まで向かってきたと思うとギュッと私の手を握って泣き始めてしまいました。
そんな獄寺君を見るとなぜかむず痒い気持ちになって、っ…幸せなのでしょうか?
だったら物凄く嬉しいです。
無色な水に絵の具の色が広がるような気持ち。
花ちゃん、京子ちゃん…それに獄寺君。
きっとこれからも毎日色づいた日々になるですね!

結局、あの後根津先生が「退学だーー!」って怒っていたんですが、なぜか分からないんですが逆に根津先生が解雇されてしまったんです。
本当に不思議なことばかりです。
あっ、獄寺君も理科のテスト満点で頭がいいってことも知れました!


私のお友達!
(お供いたします10代目!)

(普通に帰りましょうで大丈夫ですよ)

(っ!(本当に可愛い人だ!))



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