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さよならぶ




「好きですよ」

何度も。
何度も。
変わらないことを固持し誇示してただただ好きだと主張していた。
寄り道して食べたぜんざいも、部活中に二人してさぼって買いに行ったジュースの味も全部特別で、ぜんぶ覚えている。
ロッカーに忘れていって臭くなったジャージに意味もなく大笑いしていた時も、誕生日プレゼントに買った野菜ストラップに不満を言いながら次の日にはケータイに付けてくれた時も、どんなに些細なことでも楽しくて、心底笑っていた。
もう特別な味でもなく、ジャージはタンスの肥やしになり、色が剥げ落ちてしまったストラップをケータイから外してしまったとしても、特別なものであることには変わらない。

私は変わらない。
きっと変わらない。

三年後、言葉を交わすことも無くなり、アド変以外にメールを送ることがなくなって、前のようにバカみたいに笑いあわなくなっていても、特別な時間であったことには変わらない。

「ずっと好きですよ」

いつか特別でなくなっても、それでも好きです。好きでした。








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中学から高校、大学、社会人、どんなに仲が良くても、離れてしまうことはあります。
二人はどうなるかなど分かりませんが、その時が楽しかった分、ふとした時に思い出が寂しく感じられる時があるのではないかと。









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