放課後date time!
「紅茶?」
「うん」
俺はコーヒーの方が好きなんだけどな、という言葉を飲み込んで、詩羽の淹れてくれた紅茶におずおずと手を伸ばす。
詩羽の淹れてくれたものだから、不味いってことはないと思う、けど──。
「ど、どう?」
「美味しい!!」
「良かった!!」
素直に喜ぶ詩羽を抱き寄せて、こつん、と額を合わせる。
一瞬で真っ赤になった詩羽に問うてみる。
「この茶葉、どこで見つけてきたんだ?」
「…こないだ、2人で行ったお茶屋さんだよ」
「へぇ。コーヒーが入ってるなんて、すごいな」
「分かったの!?」
「分かるさ。」
「すごーいっ!!!!」
「……俺が、コーヒー、好きだから、これを探してくれたのか?」
「…うん」
更に真っ赤になった詩羽が愛しいんじゃなくて、素直で俺を一番に想ってくれてる詩羽が愛しい。
「私は紅茶が好きで、天爛はコーヒーが好きで……でも私だってコーヒー嫌いじゃなくて、その共有点ってあるはずだと思ったから……。」
「……うたは」
あぁもう、大好きだ。
恥ずかしくて言えやしない癖に、想いはただただ膨らんでゆく。

「……ありがとう」
やっと絞り出せた言葉は、これだけ。愛しくて愛しくて堪らないのに、言葉にできない自分に嫌になる。
それでもやっぱり好きで。
なんで詩羽は素直でいられるのか。世界は分からないことだらけだ。
「ううん。……天爛が気に入ってくれて、良かった」
頬を染める詩羽を抱き締める。
俺の一番は詩羽だよ。詩羽は分かってるのか?

言葉にしきれない想いを、もう一度変換するために飲み込んで、
「天爛……大好き」
詩羽の声に、不覚にもやっぱり詩羽には敵わないな、なんて思った。


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bkm
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