×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -


「…はい、誕生日おめでとうございましたー…」
「あぁ」
「はぁ…」
「あ゛ー…」
「わーい…」
「何このテンションの低さ…やること無いならもう寝れば?」
「だって誕生日だよ?なのになぁんもいいことなかったし!このまま寝んのしゃくじゃない?」
「いや、ここ数年ずっとこんな感じだろ。今更何言ってんだよ」
「そうだよねぇ〜?いつも通り父さんと母さんからそういえば誕生日だったみたいな顔されて?トト子ちゃんにもふーんで流されて?」
「激安スーパーで買ったニコイチのケーキパック三つ分だけ与えられて!?誕生日だからって他に何か特別なことがあるわけでもなく!?」
「例年通り兄弟揃って彼女もいないし!?このまま一生死ぬまでこんな感じかもしれないしねぇ!?慣れとかなきゃいけないよねぇぇ!?!?」
「怖い怖い怖いわお前ら!一日でどんだけストレス溜めたんだよ!別にいいだろ何にも無くたって、普通におめでたい日なんだから」
「そもそも俺らが生まれたことが果たしてめでたいことなのかっていうね…」
「やめて一松、悲しくなるから」
「サンタさん来てくれなかった…」
「サンタはクリスマスだよ十四松」
「あ、そっか!あっはは!」
「あーあ、最悪だよ…誕生日だからっていいことなんか何もありゃしない…」
「フッ、ブラザー…そんなお前達にグッドニュースだぜ」
「じゃお休み」
「お休みー」
「お休みなさ〜い」
「ウェイウェイウェイウェイトだブラザー!これを見ろこれを!」
「…ん?何これ?」
「何この手紙の束」
「ふふん、聞いて驚」
「さっさと説明しろクソ松」
「…ラブ、レター、だっ!」
「何でポーズ決めながら溜めたのか意味分かんないしイタいんだけど、ラブレター?え、僕達に?」
「さっきポストに入っていたのを見付けたんだ…どうだブラザー?最高のバースデープレゼントじゃないか?」
「…にしても何で俺達クソニートに?」
「あー俺たち社会現象とかなっちゃったぐらいだし?来てもおかしくはないよねぇ、まあ今更感はあるけど」
「うわぁほんとだ〜!ねえ見て、
『お誕生日おめでとう!』
だって〜!こっちも、
『お誕生日おめでとう🎉
これからも、六つ子を愛しています』
って!明らかに僕達宛だよこれ!」
「めでたいめでたーい!」
「ええ?ほんとなの…?」
「…お、おい…こっち千円入ってんだけど…」
「何ィ!?本物か!?」
「透かし…あるな、本物っぽい…」
「どういうこと!?僕達へのプレゼントってこと!?」
「絶対そうだろ!よしお前ら、片っ端から開けてこーぜ!」

「いやいや待て待て!せっかくこうやってメッセージも付けてくれてるんだから、それ先に見ようよ!」
「ええー?金さえあればどうでもよくない?」
「ほんっと誕生日でもクズだなお前は!どこの誰かは知らないけど、僕達に向けて書いてくれたんだからちゃんと読もうよ」
「じゃあチョロ松兄さん読み上げてってよ。メッセージ付きのは渡すからさぁ」
「そだな。俺達が金集めとくからチョロ松頼むわ」
「えー?まったく…じゃあ読むよ、えーと」

『誕生日おめでとうございます。
心ばかりの野口英世をお送りします。
6人できっちり分けられる金額ではありませんが、恐らく他の方のプレゼントと合わせれば、六の倍数の金額になってくれると信じています。お受け取りください。

もし六の倍数の金額が揃わなかった場合は、骨肉を争う奪い合いの戦争を行っていただけるようお願いします。』

「何願ってくれてんの!?誕生日なんだけど!」
「フッ…しかし仕方の無いことと言えよう」
「いいんじゃない?クズが六人いても邪魔なだけだし」
「あは、負けないぞー!」
「お手柔らかにね〜」
「何でやる気なんだよお前らは!」
「もー待った待った、せっかくの誕生日に兄弟同士で争うとかやめない?」
「おそ松兄さん…」
「大丈夫!六で割った余りは長男の俺が責任持って預かっとくから!」
「それぜってー返ってこないやつ!ほんっと当てになんないよねお前ら…ちゃんと小数点以下まできっちり六等分するからね!」
「細かっ…」
「てか小数点以下まで割ったところで何になるの?その分の金はもらえるわけ?」
「いや、きっちり分けるっていう例えで言ったんであって…」
「ケッ紛らわしい…雰囲気で例え発言してんじゃねーよ…」
「あはは!雰囲気雰囲気!」
「チョロ松、今の発言は…フッ、お前、らしくなフグゥッ」
「分かった。今から始めよう。戦争を」
「い、今からってお前…ええ…俺既に…ええ…?」
「まーまーチョロ松兄さん、開戦前に次のメッセージあるからはい、これ読んで」

『みんな大好きすぎて誰かひとりを選べません。誰と結婚したらいいですか?』

「俺でしょ〜!俺しかいないでしょ〜!」
「はい無い!一番無いね!クズだしバカだしデリカシー無いし!」
「はぁ!?言っとくけどお前より全っ然マシだから!ライジングしないしシコ道極めてないしー!」
「俺だってシコ道極めてるわけじゃねーよ!てか何だシコ道って!」
「このやり取り見てたら分かる通り、この二人はまずないよね〜」
「ないね!」
「無い無い」
「同意してしまう俺を許せ、ブラザー…!」
「は!?お前らも同じくらいないからね!?カラ松は痛いし一松は友達いないし十四松は十四松だしトド松はドライだし!そんな奴らが結婚とか出来る気しねーから!」
「だよねー!ほんとそれだわ!結婚とかお前らには一生無理!」
「ぐっ…」
「あはぁ」
「えー?僕別にドライじゃないってば」
「いやお前はドライの申し子だから。いざとなったら容赦無く奥さん切り捨てるから」
「そんなことしないって!死が二人を分かつまで、でしょ?」
「いいこと言うな、トッティ」
「いーやお前はそんな子じゃない。俺の目をまっすぐ見ろ。お前はそんな子じゃない…お前は絶対そんな子じゃない…」
「催眠術でもかけようとしてんの!?やめて!?」
「一松にーさん残念だったね」
「残念だったねってお前もだろ…別に、今すぐ結婚したいって訳じゃないし、つか俺如きが結婚出来るなんて思ってない…」
「一松、落ち込むのはまだ早いぞンン?こんなメッセージもあるぜ…」
「あ?」

『ニート達、今年も誕生日おめでとう!
まさか既婚&子持ちのエエ歳になってまで、君達六つ子に夢中になるとは思ってなかったよ…。
カラ松、ウチの娘が君の事大好きらしいんだけど、良かったら将来婿に来ない?
娘はまだ幼稚園児なんだけどねw
私は特に一松が大好きなんだけど、皆それぞれ好きよ。来年もこうしてお祝いして、お小遣いあげられたらいいな。二期も頑張ってね。』
『いちまつくん大好きです愛してます。養うので結婚してください。』

「えっ…」
「はぁ!?何で一松そんな優遇されてんの!?」
「特に一番目の親子趣味悪すぎでしょ!」
「おいこらトッティ!口を慎め!思ったけど!」
「んん?」
「養ってあげるとか最高じゃん、何なの?俺にはそーいうのないのぉ!?ちょっ、探して十四松ぅ!」
「あいあい!」
「まあ、一松兄さんは養うにあたって一番出費が少なくて済みそうだもんね…主に猫にしか使わないでしょ、お金」
「まあ、猫缶ぐらい、だけど……でも人妻からの票は実質有効票じゃないよね、もう他人のもんなんだから」
「お前はもっと素直に喜べないわけ?」
「え〜いいじゃん人妻〜〜絶対エロいって〜〜いいなぁ一松ぅ〜〜」
「お前も決め付けてんじゃねーよ!人妻イコールエロいとはなんないから!」
「てかさぁ、何気に衝撃なんだけど、幼稚園の子にも僕ら見られてんの?」
「フッ…さすがワールドワイド!ジェンダーフリー!老若男女全てにラブ&ピースを届けている!…俺!」
「これを幼稚園の子に見せてるってことだよ?ヤバくない?」
「自分で言うのもなんだけど情操教育に良くなさそうだよねぇ、モザイク多いしピー音入るしところ構わずライジングする奴もいるし」
「あ?誰のこと言ってんの?」
「別に〜」
「反面教師なんじゃないの俺ら」
「なら授業料もっとくれない?千円じゃ全然足りな〜い」
「ああ、最高の反面教師がここにいる…」
「で、幼稚園の子の婿に来いとか言われてるけど、どうすんの?行くの?」
「いや幼稚園…はさすがに……フッ、だがしかし!リトルカラ松ガールがビューティフルに成長した暁には、二人で深紅のヴァージンロードを歩こうじゃないか!」
「あっそ。興味ないから勝手に歩いてって感じだけど。はいチョロ松兄さん、メッセージ」
「はいはい」






戻る