首輪
2/22にゃんにゃんにゃんSSS



首輪をしてるネコを見るとまるで束縛されてるみてえじゃねえかと、俺のノミ単位の脳みそは思考エンジンフル回転した。だって、そうだろうよ。あのフカフカした柔らかい首に邪魔くせえ輪っかなんかはめ込ませて、飼い主気取りする人間のモノって証になっちまうんだ。鈴がチリンと鳴れば、それは誰かのものの証だという号令だ。なああ、それ間違ってるとは思わないけ。
知ってるか?ネコは気まま気まぐれ。この俺様みたいに、誰かに存在を認めてもらうだとか、誰かのものになるだとか、そんな束縛されるようなもんじゃねえ。人間様に飼われる「モノ」じゃねえ。知ってるか?ネコはどんなに懐いた人間でもたまに変貌したように懐かなくなることがあるだろう。機嫌とりなんだぜ。知ってるか?食い物が欲しい時は、お得意の誘い方で人間を誘惑していること。だまされる人間はホイホイ餌をやってネコに一本取られてんだぜ。知ってるか?可愛い顔してやることは腹黒くて、残酷で、ぜーんぶ生きるためなんだってこと。知ってるか?ネコの死に際は、誰にも見られないところでぼっちで死ぬこと。孤独死が好きな、そんなにゃんこは最高にかっこよくて、最後まで好き勝手だとは思わないか?知ってるか?だからネコは人間に仕方なく束縛されてるんだぜ?人間様バンザイ!って「猫」被ってるんだぜ?
ネコは気まぐれなんだ。そして、自由だ。自由に生きる象徴だ。

「にゃ、にゃ、にゃーん!」
「はん?」
「・・・はん?じゃねえよ」
「優秀なバクシー様でも、意味わっかんねえーなァ」
「なっ!!お前が・・・ネコ好きだから真似してみたんだよう・・・・」
「へぇ〜〜〜もういっぺんやってみろよ」

そんなネコに俺はある種憧れを抱いた。理由はそれだけじゃねえが、俺はネコのように自由気ままでありてえ、と思った。
だがよ、最近気付いちまったこともある。

「・・・・。に・・・にゃん!にゃーん!!」
「ハハッーー!クッソ似てねえ!!!!!」
「・・うっ・・・・・あああ、くそっ!馬鹿!このイカレ野郎!やるんじゃなかった・・・!」

自由気ままに生きるシンボルのネコに憧れる、それはかわりゃしねえ。でも、なんで人間が首輪をつけたがるのかってことだ。

「ハハーッハ!ったく、構ってちゃんでよォ!なあ!」
「なっ!?・・・んぅ・・・」

束縛したくなるもんなんだ。首輪をつけたがる支配者気取りの人間様は、きっとずっと飼い主気取って支配者になって動物もモノみたいに扱う、でも振り回されて、自分のガキのように育てて、よく分からねえが目に見えねえもんを共有して、そんで最後死ぬとき出来れば見届けていてえと思うわけだ。

「ふぁ・・なにす・・んだ・・!」
「ジャンが俺の気ぃ引く為に下手糞なにゃんこ気取ってるからだぜ」

首輪は、「愛の形」、なのかもしれねえ。
ネコのように気まぐれに生きる俺は、同時に気まぐれに振り回されて支配したくなる人間様でもある。それを自覚しちまったのは、さっきからネコになりきろうとしてへたくそ全開で頑張る金髪にゃんこのせい。俺のほうが真似は上手い。

「なァ、そーんなにネコになりてぇんなら首輪つけっか?」
「はい!?」
「にゃんにゃん」
「・・・・・(しまった)」

どっちつかずなのも、気まぐれでいいってこった。
首輪は、今でも束縛する人間様の慰みもんだと思ってる。
でもいつか、いつか、俺はこの金髪にゃんこに「首輪」をしてやりてぇと思った。






(首輪)
20110222
・・・・・・・・・・
すみません、ホント切羽詰まって殴り書いたので話がまとまってない・・。
こりゃあ実際にネコを飼っていて日ごろ思っていたことです。
首輪は束縛、そして愛の証だと思った次第です。
あとで、首輪ネタでもっとちゃんとした・・出来ればエロでなんか書きたいです。







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