策士、策に溺れる
ジュリオ誕SS3
「ジャン、さん、俺が‥あなたを綺麗に、します」
ジュリオが突然言い出した意味深な発言、始めは意味が分からなくて流さるままとりあえず「うん」と頷いてしまった。しかしそれからというものジュリオとセックスをするときには必ず俺の頭から足の指先まで舌を酷使するようになった。そう、ジュリオ曰く風呂へ入った時に身体を洗う、つまりそれが舌で俺を綺麗にするという意味らしいのだ。
「っんぅ‥」
仕事でだいぶお疲れになっただらしなく垂れ下がる髪の毛を掬い匂いを嗅ぐとそのまま頭に鼻を押し付け、そっと生温い舌が姿を現し髪の毛ごと頭皮を舐められる。分け目に沿って舐められればビリビリと電流が流れ身体が徐々に快楽に震え出す。
「ジャン、さんは‥分け目が‥いい、んですね‥」
なんとも言えぬ複雑な気持ちにさせる発言だなと無駄に思考が働きつつ、髪の毛がジュリオの唾液でベタついてワックスの代わりになるとか髪の毛を洗うみたいに綺麗にしているというようには思えないが、直接脳みそを刺激されているような感覚に襲われてそれだけでペニスが疼いてしまう。
「ん‥み、耳‥ゃだ‥」
頭皮から顔面へと唇がくだり、耳、眼球、鼻、頬が唾液でベトベトになると待ってましたとばかりにキスがふってくる。最初は小鳥のついばみのように唇をすぼめて、やがて俺の唇全体を覆う。優しく撫でるように唇を舌で舐めると、それは口を開けて欲しいという合図。俺は口を小さく開けるとジュリオの生温い舌が入ってきて歯をゆっくり舐めると舌で俺の舌を突く。これも自分から差し出して欲しいという合図。こうなってくるとジュリオは自ら俺に求めさせるのだ。
「‥はっ‥こんな‥ったく‥んぅ‥」
セックスはおろかキスも俺とが初めてだった(※愛犬を除く)くせにセックスを心得ている熟練者のような誘導技術にいつも困惑させられる。色々な意味でジュリオの性癖は逸脱しているが、これぞ策士というに相応しい。変わった性癖なんてどうだって良いように思えてしまうくらい頭皮と顔面を舐め回され唾液でベトベトになっただけで興奮してしまう。触れる感覚、口内の香りが香水のように身体中に漂う感覚もジュリオの全てが俺と在るようで嬉しくて、熱くなってペニスを勃起させてしまう。
「‥‥ぷはっ‥」
気付いた時に拒否しなかったのはきっと最高に気持ちいいと思ったからだ。
「はぁ‥ん、ジュリオ‥」
「‥‥はい」
「全部‥全部綺麗に‥してくれよ‥」
「‥あなたの命令なら」
ジュリオの口内に指を突っ込み、指で舌を引っ張りだして「いい子」と呟く。すると嬉しそうに、しかし野獣のような興奮しきった眼をぎらつかせて目の前の策士は策に溺れる。
「ゃ‥あ、ん‥‥」
「全部綺麗に‥します‥」
俺もジュリオと同じだけオカシイ奴で、策に溺れる策士野郎だった、と今更ながら気付かされるのだった。
(策士、策に溺れる)
20110215
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私の趣味しかなくてなんだがものすごく申し訳ない気がしてならない。ジュリオがただの変態にしか見えない。そしてこれはエロSSに入るのか分からない。つまりすみませんでした‥!
(でも初めてラキドでエロースぽいもんを書きました)