カワイソウニ








臨也さん 臨也さん

みんなの為にやりました
正臣や園原さんの為に
僕のダラーズの為に
僕の望む世界の為に
臨也さんの言う通りにやりました
なのに、どうして
この手にはなにもないのでしょうか


「臨也さん、答え、て……」
「………はっ…………は…」

僕の手からすべてこぼれ落ちるように
手にとったものは僕に触れては消える

「……臨也さん…お願い…です」
「……………っかはっ………」

骨が折れる音がする
ほら、僕が触れれば

「………かわい、………そ…に……」
「…いざや、さん…いざや…さ」

口から流れ出る唾液を舐めて、笑った口角をキツク噛む

違う
僕のせいじゃない

「…返して…ね?僕から奪ったもの全部。あなたが…僕から奪った…」
僕は、間違っていたのか
「………だ め…………」

間違っていたのかもしれない

「………かわ…い…そ…はは……ン…」

涙で濡れた指に細い首が絡まって呼吸をせき止める
半開きの口にキスをして

「あなたを愛してしまった」

最期の息吹を吸い取る

「……はは…はははっ…」


これで、全部失なった
これで、おしまい
ですよね?臨也さん





20100912
・・・・・・・・・・・
blogに上げただの文。帝人の病み具合が好きです。





戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -