『私たち、入れ替わってる!?』
「入れ替わってないよ?」
『分かってるよ、はやりに乗ってみただけ』
「へー、暇なんだね」
『うっせ、もし私がイルミになったらすぐに犯罪者になってやるんだから!お風呂とかのぞいてさ、お縄についてやるんだから!』
「まぁもう犯罪者なわけだけど、そんなくだらない理由で捕まりたくないなぁ」
『逆にイルミが私になったら何した…あ、やだ名にそのスケベな瞳!おっぱい揉む気でしょ!いやらしいんだ!いやらしいんだ!』
「え…ない胸をどう揉めと?」
『黙れこら』
「まぁでもその運動神経の無さはちょっと体験してみたいかもね」
『黙れこら』
「でもあの映画ってずっと入れ替わってるわけじゃないんだよね」
『え?そうなの?』
「え?何、ストーリー知らないの?」
『知ってるわけなくない?だって私だよ?はやりものに乗るのを恥ずかしがるあまのじゃくな私だよ?』
「あぁうん」
『でもなんか泣けるんでしょ、あれ』
「いや、知らないけど」
『は?なんで?見てないの?』
「見てるわけないじゃん、俺だよ?」
『把握した』
「ところで俺、君のことが好きなんだけどさ」
『は?どんな脈絡での告白!?』
「DVDだかBDだかになったら借りて一緒にその映画見よう」
『あ、うん。いいけどあのさ、』
「なに?」
『私も好きだよ』
「うん、」
君の名は。
-そんなこと、はるか昔から知ってるよ-