舟歌を口ずさんでは目を閉じる波を知るのだ音のかたちに いつかまた命のためにやってくる遠い潮騒こころに水面 ではゆこうここにほのおが燃えている焼かず焦がさずただ光る火が 両腕に抱き締めたのは誰そ彼のきっと涙だ目に沁みるから 追い風を味方につけて彼は飛ぶそこから見える海はどうだい 茜差し空は移ろういくたびもだから来るのか誰もに朝が 歌のこと想い出すんだ旅の中だってこんなに音が溢れる 視界には嘘いつわりが映らない見たまま見える色もかたちも 闇夜では足音だけが細く鳴りそれでも続く呼吸みたいに 逸る背につばさはないな四肢ばかりそれでよかった息もできるさ 手を伸ばす届く気がした旧い創擦りきれた地図に小さく淡く ごうと撃つ風が揺さぶるこの背には知っていたかい海がいる 永遠をたぶんいつでも持っているだからぼくらは果てをも越える