消えてゆく前に、もう一度(あなたの顔が見たくて)
銃を突きつけてあなたは嗤う
黒く光る無機質な、
せっかくあたしが死んであげるのに、あなたは笑ってくれないの?
君の笑顔に死す
死ぬってとっても素敵なのよ
俺が死んだらてめえのせいだ、だから罪を背負って生きろ
存在ごと埋めて
いっそ殺して、私の心を
穢れきった身体
この罪は赦されない
天使の弾劾
魔女裁判
心だけは純潔のままで
全てを無に還せ
母なる海に還れ
お前は人間じゃないだろう
羽をもがれた天使は堕ちていくのみ




君はわらって言うのです、君に出逢わなければよかったと。僕はわらって言うのです、君に出逢えて良かったと。君の白い肌をとうめいな水がすべっていくのを、どこかぼんやりと見つめていました。君はいちどだけ僕の頬に触れて、かすかに何かを言いました。君からは金木犀のような、甘い香りがしました。


時を刻む時計の音も、台所から聞こえる母の愛情に満ちた音も、涙のように降り注ぐ雨の音も、すべて私の世界で光り輝くかけらになるのです。





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