恋するお子様
(※今回はメタっぽい話です。FF9のキャラを理解して話してます。まあオペオムとかもあるしいいじゃない!)
「おお…ジタンの格好だ!」
「ああ…」
突然引きずり込まれた異世界
まるでおとぎ話の中にでも入りこんだみたいな。
気付けば服装も変わっていて。
今、クラウドが身にまとっているのは、ジタンの服をアレンジした盗賊スタイルだった。
「わー!てことは、シーフなクラウドだね!」
「シーフ…まあ、そうだな」
「ね!へえー、いいじゃんクラウド!似合う!」
「そうか…?」
シーフなクラウド。
新鮮だけど、なんかこういうのも凄くイイじゃないですかと!
いやあもう心盗まれちゃってるよね!!
って、あたしのおめでたい頭は置いとくけどもさ!!
「あんたの格好は…」
「ああ、あたしはエーコだね」
「ちゃんと角がついてるのか」
「うん、召喚獣と意思疎通が取れる…ってやつ?はっ!今なら召喚獣と心通わせられる!?ちょっとマテリア使っていい!?」
「後でな。モンスターが出たらにしろ」
「よっしゃ!」
あたしの格好はピンクと黄色が基調の服。背中には羽があってファンシーだ。
それから頭にはエアリスにも負けず劣らずな大きなリボンと、額にはクラウドの言った通り角が生えていた。
エーコは召喚士。
召喚士は額の角で召喚獣と心を通わせることが出来る。
クラウドのお許しもでたし、あとで召喚マテリア使ってみよー♪
いつもと違う状況も楽しくなってきた。
あたしはルンルンとご機嫌だった。
でもその時、はた…と、ひとつ気がつく。
「………。」
「ナマエ?」
急に黙ったからか、クラウドが不思議そうな顔をする。
でもちょっと、思ったのです。
うーん…この関係性。
年上のお兄さんに片想いするお子様…。
ウッ‥なんか、胸にグサッと突き刺さるような…。
「おい…急にどうした」
よよよ…と座り込む。
多分オーバーリアクション。
クラウドから見たら急に座り込んだ変な奴。
いやま、別に高望みなんてしてないけども。
なんかぴったりハマっていやそんな殺生な…的な。
「ナマエ?」
その時、目も前に影が落ちた。
へ…と顔を上げたら、クラウドがあたしに合わせて屈んでくれていた。
わざわざ屈んでくれる。
そうして目の前にある、心配そうにこちらを覗き込むクラウドの顔。
それを見たら、くるっと心がひっくり返る。
「…元気出たっ!」
「…は?」
クラウドが気にしてくれた。
気に掛けてくれた。
その事実だけで、ぱっと満たされた。
我ながらつくづく単純だとは思う。
クラウドはまた不思議そうな顔。
でも。
「そうか。まあ、元気ならいい」
「!」
ふっと笑うクラウド。
ああ、好きだ…。
もうそんな顔だけで、そう思うのはお決まりなのである。
END
FF9コラボ、ジタンスタイルより。
これ時期的にはウォールマーケット前みたいなのでヒロインがクラウド好きって自覚してない時期なんですが、まあいいやと。(笑)
内容も完全にFF9のキャラ理解させちゃってるのでもう細かいこと気にしないでくださいっていう。