多くの仲間との再会


あたしとザックスは光の羅針盤を手に、その輝きが示す方へと皆を導いた。
そしてしばらく歩いた末、その光はまた新たな仲間との再会を果たさせてくれた。





「クラウド!ナマエ!ザックス!他の皆も!」





光の先から、少年の声がした。
それはまだ幼さを残しながらも皆をまとめてくれていたリーダーたる彼の声。





「あ!オニオン!バッツ!ライトニング!」





彼の傍にはバッツとライトニングもいる。
見えた姿にあたしはぶんぶんと両手を振った。

光の羅針盤は、違う世界の仲間の居場所も教えてくれるらしい。

え、やっぱ有能だなコレ。





「お!たまねぎ小僧に別の世界の仲間たちだ!」

「会えて良かった、皆無事?」





互いに駆けよれば、ザックスとエアリスも新たな再会を喜ぶ。
それは向こう最後も同じで、エアリスに質問にはバッツが笑って答えてくれた。





「まだ揃ってない仲間もいるけど、飛空艇にいる皆はピンピンしてるよ」





どうやらこの3人の他にも結構な人数が揃ってるらしい。

しかも飛空艇まであるとな!!
なにそれすごい。有難いの極み。

なんだか一気に希望が広がった気がした。





「お前たち、光の羅針盤でここまで来たのか?」

「ああ…ナマエとザックスの羅針盤がここまで導いてくれた」





光の羅針盤の事をライトニングに聞かれ、クラウドが答えた。

集まっている仲間たちの中にも光の羅針盤を持っている人は何人かいるみたいだ。
オニオンナイト、バッツ、ライトニングも所持者。

すると、ナマエとザックス…と言ったクラウドを見てオニオンナイトは不思議そうな顔をした。





「ナマエとザックスの?クラウド、君は持ってないのかい?」





あたしが持ってるのも謎だし、持っている人に法則があるのかはわからない。

ただ、なんとなく元の世界でリーダーを務めていたような人は持っている印象はある。
だからクラウドが持っていないのかと思われるのはわりと道理だ。

クラウドはまた少し目を伏せる。
そして3人にも本当は持っていたことを話した。





「俺のは…奪われた」

「奪われた!?誰に!」





バッツがビックリしたように声を上げる。
でもそれを聞いていたライトニングはそこで察しがついたようだった。





「…セフィロスか」





溜め息混じりに言い当てたライトニング。
するとバッツも「はーん」と納得した様子を見せる。

見事言い当てたその様に、今度はザックスがビックリしてた。





「なんで分かるんだ!?」

「いつも難しい顔をしてるクラウドがもっと難しい顔になったからさ」

「クラウドにそんな顔をさせるのはひとりしかいない」





バッツとライトニングの言葉に「ほほーう」とあたしは納得する。

そりゃ確かにだ。

ま、もう皆とも結構長いこと一緒に旅してきたもんね。
その辺は流石と言うか、読めちゃうよね〜みたいな。

だからあたしは「へへへっ」と笑いながら隣のクラウドの顔を覗き込んだ。





「だってさー、クラウド!」

「…説明の手間が省けて助かる」





クラウドはちらりと覗き込んだあたしの顔を見ると、はあ…と溜め息混じりにそう言った。
ま、クラウドも難しい顔してる自覚はあるだろうしね!





「俺たち、羅針盤を取り返そうとしてるんだ。いっぱいあるなら、無駄だと思われるかもしれないけど…」

「ううん。無駄じゃない。僕たちにはすべての光の羅針盤が必要なんだ」





ザックスが羅針盤を取り戻したいことを告げると、オニオンナイトも頷く。
むしろ彼らは羅針盤は絶対必要だと言う。

どうやらオニオンナイト達はあたしたちより現状に詳しいらしい。





「すべての羅針盤が揃ったとき、指し示される場所…」

「…そこに、私たちが忘れ去った戦士がいるらしい」





オニオンナイトとライトニングはそう教えてくれた。

忘れ去った、戦士?
それってなんだろう…?

そこは気になった。

でも、やる事ははっきりしてくる。
そこでシスネが話をまとめてくれた。





「じゃあ、やることは明白ね。セフィロスを探し、羅針盤を取り返す」

「ああ!…って、そういえば君は?クラウドたちの仲間なのかい?」

「そういや紹介がまだだったな」





オニオンナイトはシスネを見て首を傾げた。
そこでザックスもまだシスネを紹介していなかったと気付き、一度説明する場を設けた。





「シスネよ。タークス…と言ってわかるかしら。レノやルードの同僚よ」





なんとも的確な、わかりやすい自己紹介である。

タークスって、端的に説明する事を求めれたりもするのかも。
要所は外さずに、手短でわかりやすい。

皆も「通りで同じような服を着てるわけだ」とすぐに納得していた。





「…何、感心してるんだ」

「え、あれ?顔出てる?」

「ああ…」





その時、クラウドに軽く突っ込まれた。
話の腰は折らない、皆は然程気にしてないくらいの声だけど。

あたしは軽く笑った。





「やー、なんかこう、わーお、スマート〜みたいな?ねえ?」

「いや、聞かれてもな。何で疑問形なんだ」

「わかんない。えへへっ」

「……。」





ちょっと何とも言えない顔された。
へーい、まあ通常運転ですよ。

クラウドだって慣れっこだろう。
いやそれもどうなのって突っ込みはどっかいっちゃってください。

まあね、シスネはタークスで、どちらかと言うと敵側だ。
だけど、あたしの中ではわりと好印象かもしれない。

最初からそう印象は悪くないし。
ザックスの事とかもあるんだろうけどね。





「それじゃセフィロスを探して羅針盤を取り返すのが当面の目標だな」

「それと、ヴィンセントがいないの。皆、知らないかな?」





シスネの紹介を終えたところで、ライトニングとエアリスが今すべきことと気になることを確かめる。

ヴィンセントに関してはオニオンナイトたちもまだ見かけていないということだった。

うーん…やっぱりちょっと心配だ。
同じ世界の仲間は近くにいることが多いらしいから、すぐ見つかればいいんだけど。





「僕たちは羅針盤が指し示す場所を目指すしかない。行こう、探し物はきっと見つかるよ」





オニオンナイトは光の羅針盤を取り出してそう言う。

あたしたちも頷いた。

なんにせよ、仲間は一気に増えた。
まだ合流出来ていないのは、スコールたち、ヤ・シュトラたち、ラムザたちくらいだという。

飛空艇という足もある。

流れ、きっと悪くないよ。
その時あたしは、そう手の中に力が湧くのを感じてた。



END
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