3つの光の羅針盤


「よーし!ティファとエアリス見つけて順調順調!やるじゃん光の羅針盤!」





クラウドと再会したあたしは、仲間の居場所を示す光を頼りに無事にティファとエアリスとも合流することが出来た。





「ナマエ、クラウド、ありがとう!」

「本当すごいね、それ!他の仲間も見つけられそう!」





エアリスとティファは「見せてー」と光の羅針盤に興味津々そうだったので「どーぞどーぞ」と差し出して見せた。

どうやらふたりは光の羅針盤を持っていないようだった。
クラウドと再会したときは二人とも持っていたから、もしかしたら皆も持ってるのかななんて思ったんだけど…。

…いったい何なんだ、これは。
より謎が深まってしまった。

だけどまあ、やっぱり仲間の元に導いてくれるっていうのが確信に変わったのは大きいかな。

そうこう考えていると、クラウドに声を掛けられた。





「ナマエ。羅針盤、反応ないか?」

「え?あ!」





言われて気が付いた。
見れば羅針盤はまた新たな道を示していた。

どうやらクラウドの持っているものも同じように。

つまりはまた近くに仲間がいる、ということなのかもしれない。





「行ってみよう」





クラウドの声にあたしたちは頷く。
こうしてあたしたちは4人でまた光の羅針盤が導く方へと向かった。





「ザックス!?」





向かう先にいた人物。
彼を見つけた瞬間、クラウドがその名を叫ぶ。

すると向こうもこちらに気が付いて振り向いてくれた。

次に示した場所。
そこにいたのはザックスだった。

でも、ザックスだけじゃなくて。





「あっ、タークスも一緒!って、そちらのお姉さんは…」

「レノとルード。それに、知らない人」

「その制服、タークスなの?」





駆け寄って、あたしとエアリスとティファは順に尋ねた。

ザックスの傍にはタークスも一緒にいた。
でも、レノとルードの他に、見たことのないお姉さんがひとり。

あたしたちの側は誰もその人の事を知らない。
でもティファが言うように、その格好は黒スーツでタークスって感じだ。





「あー、どっから説明したもんかな」





ザックスはちょっと困ったように後ろ頭を掻いていた。
するとそんな様子を察し、口を開いてくれたのはそのお姉さん自身だった。





「シスネよ。タークスだけど、今は何の任務もない状態。マーテリアに言われてザックスたちの助けになるよう動いてるわ」

「あ。やっぱりタークスなんだ。へえ、イリーナ以外の女の人のタークス初めて見た」





自己紹介してくれた彼女にあたしは思わず「へえ〜」と零した。

するとお姉さん、シスネもこちらを見てぱちりと視線がぶつかる。
あ、なんて思ったら、シスネはふっと軽く微笑んでくれた。

おお…、美人さんだ。

何だか思わずどきりとした。





「シスネ。クラウドは知ってるよな?クラウドの方は覚えてないだろうけど」

「あなたと一緒に逃げていた彼ね」

「そう!んで、エアリスとティファとナマエだ!」





どうやらザックスの方は彼女とは見知った仲みたいだ。

ザックスはシスネにあたしたちの事も紹介してくれた。

もしかしたら一緒に任務とかも出てたりしたのかなあ?
後でちょっと聞いてみよっかな〜なんて考える。

するとシスネの方はエアリスの名前を聞いて少し驚いたみたいだった。





「エアリス…あなたが…」

「私の顔に、何かついてる?」

「いいえ。ただ、ツォンが見たら喜ぶだろうと思ってね、あなたの顔」

「その名前、知ってるってことは、ほんとにタークスなんだね」





彼女の口からツォンの名前が出たことでタークスと言う信憑性が増したらしい。
エアリスはどこか納得したように頷いていた。





「俺たちの同僚だが、マーテリアにこの世界の説明を受けたのが違うところだぞ、と」





そしてレノが少しそこに補足を入れた。

レノやルードの同僚…。
ほー…。こんな同僚がいたとは本当に初耳である。

それにこの人は既にマーテリアに会ってるのか。





「よく分からないけど、ザックスが信用してるなら私は信じるよ」

「うん!あたしも!ザックスが賛成してるならオッケーだよ!」





とりあえず、シスネもこちら側として行動してくれるという。

ザックスも仲良さそうだし、それならば信用しようじゃないか。
あたしはティファと一緒にうんうんと顔を合わせて彼女を迎え入れた。

するとそんな様子に赤毛から茶々が入った。





「おうおう、ナマエ。俺の時と随分態度が違うぞ、と」

「初対面でエアリスの足場銃撃した奴なんぞ知らん」

「アレは…俺は止めたぞ、と…」

「ふんっ、第一印象ってのは大事なのさ」





レノと初めて会ったのは伍番街スラムの教会。

あの時、よくもエアリス落下させよってからに…。
あの恨みをあたしは忘れないぞ。

ていうか、思い出したらムカついてきたよ!





「あら、私の第一印象は良かったのかしら?」





するとシスネが茶色いウェーブの髪を軽く揺らしながらくすりと笑う。
あたしはうーん…と少し考えて答えた。





「まあ、ザックスが信用してるっていうのが一番の理由なんだけど、でも貴女はまず最初にザックスたちの助けになるよう、って言ってくれたから」





それを聞いたとき、悪い人じゃなさそうと思った。
いや、それだけじゃ根拠は薄いんだけど。

でも、そう感じたものは感じたのだから仕方ない。

そんな風に言えばシスネは「そう…」と静かに頷いた。





「しかし奇妙な組み合わせだな。どうして一緒にいる?」





そしてそんなやり取りの後、クラウドはザックスとタークスがともに行動している理由を尋ねた。

まあタークスって団体行動好む感じはないよね。
この世界で初めて会った時も、レノとルードでさえ別行動してたし。

するとザックスがそのわけを話してくれた。





「羅針盤が導いたんだ。こっちに仲間がいるぞってな」

「羅針盤…これのことか?」





羅針盤が導く。
それを聞いたクラウドはあの光をザックスにも見せた。

光を目にしたザックスは「おっ」と言う顔をする。
そして自らも手にしていたその光を見せてくれた。





「そうそう!同じの持ってたんだな!」

「ナマエも持ってる。ナマエ」

「うん!はい!」





クラウドに言われ、あたしも光の羅針盤を見せる。

ザックスもこれ持ってたのか〜!

クラウドとあたしと、そしてザックス。
3つの光がその場でキラキラと輝いている。





「俺たちもこれに導かれてティファとエアリスを見つけたんだ。次の仲間はこっちだというから来てみれば、あんたたちがいた」

「羅針盤が引かれ合ったって事か!よーし!この調子で仲間をどんどん探していこうぜ!」





いつもの前向きなテンション。
そう言って拳を突き上げたザックスにあたしは「うん!」と頷いて、クラウドもふっと小さく笑ってた。



END
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