いくらでも愛を叫ぼう
「クラウド」

「うん?」





呼べば振り返った彼。
目が合うと優しく笑ってくれて、思わず胸が躍り出す。

あたしはタッと駆け寄り、そしてぎゅっとその腕に抱き着いた。





「わっ…と」

「えへへ」





急に抱き着かれたクラウドは、ちょっと驚いた顔をしていた。
あたしはそれを見て笑う。

結構思い切った行動だった。
でも振りほどかれないその手に、かなりの嬉しさがこみ上げた。





「急にどうしたんだ?」

「いやあ…クラウド大好きだなあって!」

「…そう、か」

「あははっ!驚かせてごめんね〜」

「…別に謝る事は無いけど」





嫌じゃないし、そう最後に呟かれた一言にまた嬉しさがこみ上げた。

ああ、あたしってば単純だねえ…。
我ながらそう思う。でも本音だから仕方ない。

あたしは感情に素直に、へらっと笑みを零した。
すると、それを見たクラウドも笑みが返してくれた。

じゃあなぜ、思い切って抱きついたのか。
実際よーし…いくぞ、せーの!くらいの気合は入れていたりする。

でも、理由は簡単。
それはその気持ちを伝えたいと思ったから。

最近、クラウドは大好きと伝えるとこうして笑ってくれる。
それは自惚れではないとわかるくらいに、嬉しそうにしてくれるのだ。

そんなこと言うのナマエだけだ、なんて…いつかそう言われたことがある。

実際はそんなことはないはずだ。
少なくとも共に旅した仲間は、クラウドを大切に思っている。

その中の誰よりも、あたしが一番だって言い切るけどね!

ねえ、クラウドはその言葉で幸せになれますか。
あたしのその言葉で貴方が笑うなら、あたしはいくらでも貴方に大好きと言うよ。





「クラウド、大好き!」





嘘、偽りない。
そう言えば、また彼は笑ってくれた。


END


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