第10話 貴方の為に



スティレットを構える少女の前には、自分を殺せと言う青年が居た。

「もういい…。俺を殺せばお前は助かるんだろ? なら殺していい。ただ、俺で終わりにしてくれ」
「リンク……」


少女のスティレットを持つ手は震えていた。
彼女だって、仲間達を次々と消し去って辛くなかった訳じゃない。
寧ろ辛くて心が引き裂かれそうだった。
それでも彼女は逃げる訳にいかなかった。
どうしても、“裏切る”事が出来なかったから。

でも……。

リンクなら、もしかしたら自分を助けてくれるのかもしれない。
しかし自分が“裏切って”しまったら……。



「私……は……」



リンクに助けを求める

逃げる

リンクを殺す






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