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「なあ、本当にやんの?」

「本当にやるよ。ねえ、どっちが似合うかな」

白いスーツと黒いスーツを交互に体に合わせて白がいいかな、なんて言ってる呑気な幸村くん。
正直、どちらも似合うからどちらでもいいんだけど、あ、でも白はスパゲッティ食べるとき気をつけなくちゃいけないから黒かな。まあ幸村くんならそんなの気にせずにスパゲッティ食べるだろうけど。

「黒がいいんじゃね?なあ、ほんとうに…」
「じゃあ白にしよっと」

なんだよ、俺が答えた意味ないじゃん。言葉を被せられて言い終えることができなかったけど本当にやるのだろうか。

大丈夫なのだろうか。幸村くんが、じゃなくて客が。きっと幸村くん客にイライラして客を…ああ考えるだけで恐ろしい。

「なあ、やめとけって」

「うるさいなあ、時給もいいし愛想振り撒いとけばいいんだろ?仁王ができるなら俺にもできるよ」

仁王がホストで働いているのを知って俺もやってみたいと言った。幸村くんならキャバ嬢の方がいいんじゃ…なんて思ったけど口にしたらどうなるのか解りきっていることだから言わなかった。


しかし、幸村くんが客からベタベタ触られて気持ち悪かったからイップスにしちゃったてへぺろ、と言ったときにやっぱり!と口にしてしまったものだからすっげえ睨まれて少しチビった。