「女性の胸には癒しの効果があるらしいよ、ラッシー」

「はぁ……」

 またヘンリー様が変な事を言ってる。しかも多分暇つぶしだ、これ。
 暇になると私を構いに来るのはやめてほしい。大体ロクな事が起きないんだもん。
 これはもう色々とツッコんだりしないで、ただ時間が過ぎ去るのを待った方が良さそうだな。

「それを踏まえてアピールをするけど、俺は今凄く疲れてるんだ」

「……はぁ」

「もう面倒臭い挨拶回りとか、下らない貴族との会話とか……可哀想だと思わない?」

「それは大変でしたね……」

「もう一度言うけど俺は今、凄く疲れてるんだラッシー」

「ちゃんと言葉の意味は理解してますけど」

「面倒臭い挨拶回りとか」

「聞き返してないですけど!?」

 壊れたCDプレイヤーの様に疲れたと繰り返すヘンリー様に遂に私はツッコみを入れてしまう。
 そんな私にヘンリー様が残念そうに溜息を吐く、解せない。

「って、何してるんですか!?」

「いや、ちゃんと理解してくれてるならいいかなって、」

「良い筈無いでしょう!? ホントにやめてください!!」

 ヘンリー様の手が私の胸に伸びてくるのを叩き落としたのに、諦めようとせず更に手を伸ばしてくる。
 ああ、もう……変な所で凄くしつこい……!
 結構本気で来るから遂に彼の手が私の胸の上に乗せられる。

「うん、やっぱりこれだな……」

「何がですか! 何が!!」

「いや、癒されるな、と思って」

「……サイテーです、」




うちのヘンリーはいつもちょっと変人です、ごめんあそばせ(・∀・)