「……何してんだ?」
「木に引き止められてるみたいです」
「そうか、なら仲良くしてやれ」
「ちょー!!!置いてかないで!なんとかしてくださいぃいいいい!!」
「本当にドジな奴だな、お前」
「え!?切っちゃうんですか?切らないでくださいね?確かに傷んでますけどでも毎日手入れもして大事に……」
「これは俺の物だ。誰が切るかよ」


 馬鹿な奴、
 そう言いながらも私の髪の毛を解いてくれる。
 なんだかんだで優しく痛くないようにしてくれるシンさんはやっぱり優しいと思った。