「いやぁあああああああ!」
「こんな場所で大声をあげるんじゃありません!」
「だって、だって……」
「あなたという方は……ここをどこだと思っているのです?」
「でも……でも…!」
「だってもでももありません!少し落ち着きなさい!」
「だぁって!!クロードさんの唯一のとりえの顔が!!!私はこれから貴方の何を愛せば良いんですかぁあああああああ!」
「な…………!!」
 
 思いっきり言われた台詞は激しく失礼を極めた台詞。
 ……一体彼女のご両親はどんな教育をしたのだろうか、と思った私は罪にはならない筈。
 寧ろ彼女は私の顔しか愛してくれていないのか?
 文句を言ってやろうと睨みつけると彼女の不安そうな顔に阻まれる。
 ………ああ、そういう事か。
 要するに、怪我をするなという事…だろう。
 私が言うのもどうかと思うが、大概彼女も素直じゃない。