「キース様、今日は私お出かけしますので留守にします」
「なんだと?今日は俺が休みなの知ってるよな?」
「知ってますけど、今日知りました」
「俺はお前の恋人だろ!?俺を優先しろ!」
「……今日は、キャサリン様と2人でお散歩する予定だったんですが……」
「……キャシーが……」
「キャサリン様に、お兄様が行くなと言いましたとお断りしますか?」
「い……いや………」
「じゃあ、キャサリン様が待ってますので行ってきますね」
「……ああ」

 すっごく不満そうなキース様は嫌々を隠さずに手を振ってくれる。
 そんなキース様に明るく手を振って短い別れの挨拶をして部屋を出た。
 でも多分直ぐに追い掛けてくるだろうな、とは思ったけど。
 ああほら、ズカズカと後ろから足音がしてるし。