「今日はノーブル様主催のパーティーですからあまり粗相のないようにお願いします」
「はい」
「会場では決して私から離れないようにしてください」
「はい!」
「いくらノーブル様に懇意にして頂いているとはいえ、それに甘んじるのはいけません」
「はい」
「マナーの確認は確実にお願いします」
「はい」
「今から私がダンスの復習をしますから、準備をして下さい」
「はい!」
「……先程から、返事が適当ですが……私の話を聞いていますか?」
「……聞いてます。都合の良いことだけ」


 私が元気なお返事 をしてる時は大体聞いてます。
 それ以外は結構聞き流してますが、それが何か?
 ケロッと笑う彼女がダンスのステップを踏みながら私に手を差し伸べてくる。
 怒鳴りつけてやりたいが、彼女が元気なお返事、とやらをしている時を思い出すと何も言えなくなった。