「セレブには解るまい……」
「……また今度は何が始まってるんだ?」
「おのれセレブめ……。庶民がこんなにも暑さと飢えに耐えていると言うのに……」
「……セレブだって節電に協力してるから暑いし飯は今から食いに連れてくから後少し耐えろ」
「じゃあなんでそんな涼しげなんですか!?冷房無しでそんなに涼しげならもう遼一さんは人間じゃなくセレブですよ!!」
「俺がセレブなのは確かにその通りだけどな。甚平は古来から涼しいって決まってるんだよ」
「甚平……まさかそんな力があったなんて……」
「先人の知恵だな。まぁそれでも暑いものは暑いけど。でも洋服よりは断然涼しい……よし、出掛けるぞ。準備しろ」

 そう言い残して着替えを済ますと甚平に興味津々のアホが着替えをしていた。
 ……これで予定していたホテルでの食事は中止だな、アホめ。
 時間が無くなったのもあるが……まぁ男には色々諸事情がある。
 飢えに耐え忍んでいるらしいがそのまま朝まで耐えていなさい。