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俺と赤司が将棋をしていたとき…

『俺は敗北を知らない』

突然赤司がこんなことを言ってきた…
『それはイヤミか?』

『すまない、ただ今ふと思っただけだ』

『決して望んでいるわけじゃない』

『知らないから興味があるというだけだ』

『それ以上のイミはない』

それをイヤミと言うのだよ
ならばいずれ…

『俺が教えてやる』

お前に敗北という物を
そう言うと赤司は笑い椅子から立ち上がった
絶対に勝つ
俺はそう心に誓った
ハッキリ言おう
俺は赤司に一つも勝った試しがない
テストでも…将棋でも
だから俺は完璧を求める
だが結局勝てなかった
何をしても
赤司には適わなかった
悔しい
敗北を知らない?
そんな言葉を簡単に使うな
本当は知っていた
赤司には勝てない

『お前に敗北という物を教えてやる』

無理だ
あれは赤司に対しての強がりだ
勝てない事はしている
だから勝てる日まで俺は完璧を求める


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